2005 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙構造物の圧電素子を用いたエネルギ回生準能動的制振手法の研究
Project/Area Number |
16360429
|
Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
小野田 淳次郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙構造・材料工学研究系, 教授 (20013740)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯杉 賢治 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙構造・材料工学研究系, 助教授 (90239327)
竹内 伸介 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙構造・材料工学研究系, 助手 (20353419)
|
Keywords | 圧電素子 / 準能動的制振 / エネルギ回生 |
Research Abstract |
本年度は、エネルギ回生準能動的制振手法に関する3つの研究に取り組み、成果を挙げた。 1つ目の研究では、コイルと圧電素子から成る受動制振デバイスに能動デバイスを組み合わせるハイブリッド振動制御手法を提唱し、その有効性を実証した。ハイブリッド化により受動制振手法の制振性能を飛躍的に向上させた。能動デバイスが受動デバイスの共振同調におけるミスチューニングを補正するために、提案するハイブリッド系はパラメタ値の変化に対し高いロバスト性を有する事が実証された。更に、構造・電気の連成振動の過渡現象を詳細に調査することにより、構造振動を発散させない安定で高性能なハイブリッド制御則を導出することにも成功したので、数学モデルに誤差が懸念される大規模な宇宙構造物へハイブリッド制振手法の適用が可能となった。 2つ目の研究では、セルフセンシング制振手法を剛性制御やエネルギ散逸制御にも適用し、その応用範囲の拡大を図り、同時にその適用限界も研究した。圧電素子とスイッチを用いる剛性制御では、圧電素子の電圧が構造物の振動に比例しない時間が存在するため、圧電素子の電圧値のみを用いるセルフセンシングの実現は不可能と考えられていた。本研究ではこの常識を覆し、セルフセンシング剛性制御を実現したので、セルフセンシング制振手法にとり大きな研究成果となった。振動状態を計測するセンサを数多く配置する事が難しい大型宇宙構造物の振動制御への適用可能性が実証された。 3つ目の研究では、衛星の観測性能を向上させる為に、モーメンタムホイールからの振動を絶縁する圧電トランスデューサと電気回路からなる準能動的エネルギ回生型アイソレータを提案し、その振動絶縁性能を調べた。本アイソレータを組み込んだ衛星のモデルを用いた数値シミュレーションを行い、その優れた振動絶縁効果を多角的に確認した。
|
Research Products
(6 results)