2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360431
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 徹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30282677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111474)
山口 一 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (20166622)
多部田 茂 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (40262406)
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Keywords | 海洋乱流 / スペクトル解析 / 不規則渦度場 / wavelet解析 / LES / SGS乱流モデル / 実海域観測 / CFD |
Research Abstract |
当初予定では、今年度に海洋観測を行い、作成した解析ソフトで小規模海洋乱流を計算機上に再現する予定であったが、観測は16年度に実施し、解析も先行して16年度に実施したため、今年度は18年度に予定されている、海中拡散物質の化学反応及び生物影響モデルを作成した。海中拡散物質として温暖化の根源となっているCO2を選択し、これの海中での化学反応を解析するソフト及び、対象生物に対する当該物質の影響モデルを作成した。CO2の生物影響は、近年盛んに生物影響データが発表されており、データは容易に取得できた。生物影響モデルには、JIS規格で生物影響をみる尺度となっているLC50(一定時間で50%死亡率となる物質濃度)のコンセプトを非定常的に濃度が変化する場合へと拡張した統計的な非定常濃度プロビット死亡率モデルの他、CO2が生物の血液・体液内のpHを下げることに対する生体緩衝作用を考慮した生化学的メカニズムを考慮したモデルを開発した。また、大スケール海洋モデルとして、当初予定では既存の静水圧近似モデルを使用する予定であったが、静水圧近似ではbaroclinicな内部重力波の再現が困難であるため、full-3D(非静水圧近似)海洋モデルを新たに開発した。さらに、この大スケール海洋流動モデルに、Lagrange的に移動する小スケールLESを重合させるソフトを開発した。これにより、小スケールモデルに液-液二相流モデルを導入し、CO2海洋隔離をMoving Ship法で行った際の、CO2を放出する船の動きに従って小スケールモデルの格子系を移動させ、CO2濃度の上昇を最低限に留めるような効果的な船の航跡を提案することが可能となった。
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Research Products
(6 results)