2004 Fiscal Year Annual Research Report
造船工場における労働環境の固気相流・熱量解析に基づく体系的改善に関する研究
Project/Area Number |
16360439
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福地 信義 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80039677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 岳思 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80235548)
李 旗 名村造船所, 船舶海洋事業部, 技術研究員
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Keywords | 造船工場 / 労働環境 / 金属ヒューム / 固気相流 / 換気システム / 熱中症 / 人体熱平衡 / 日射 |
Research Abstract |
近年の環境問題に対する意識の高まりと共に、造船所では国際規格14001の認証取得の他に、労働環境に対する見直しが不可欠となっている。特に、内業工場における溶接・切断ヒュームによる工場内空気汚染は問題となることが多い。また造船工場での作業は、一般に夏季には厳しい熱的環境下に曝され、人体の蓄・放熱のために作業効率が低下したり、注意力低下による労働災害、さらには熱中症により死に至ることも起こり得る。このために以下の研究を行った。 (1)造船内業工場における切断・溶接作業時に発生するヒュームは低濃度の固気混相流であり、Navier-Stokes方程式に基づいた粒子軌跡モデルを用いたヒューム拡散の解析法を確立した。さらに内業工場における溶接や切断現場における発生ヒュームの濃度計測およびその画像解析により拡散状態を把握し、解析法の妥当性を調べた。 (2)造船外業工場の熱的な環境調査を行いその環境の評価をするとともに、エルゴメーターを用いて作業負荷や環境要因に応じた人体の皮膚温度を実験より計測し、人体の熱平衡方程式から人体蓄熱量を計算した。また、日射のある暑熱環境下での作業において、代謝量、環境温湿度、衣服抵抗などの熱的要因が人体に及ぼす影響や、人体の熱平衡と温熱要因の関係を調べ、快適性や作業許容限界の判断指標となる人体の蓄熱量と種々の環境・温熱要因との関係を顕在化し、暑熱環境下の作業における熱的安全性を評価する指標を定めた。 (3)これらの解析法と知見を用いて、熱的作業限界の設定と温熱対策を定めるとともに、内業工場の容積・形状、作業位置、集塵・排気装置、冷却・換気用ファンの容量、配置等の関係を明らかにした。
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Research Products
(1 results)