Research Abstract |
本研究は,ファブリ・ペロー干渉計の原理による光干渉型センサに動作点制御用のフィードバック機構を組み込み,センサ製作時のギャップの個体差や,温度・重力・圧力等の外因によらず自動的に感度やダイナミックレンジを制御するセンサを製作し,それを用いた地下計測用多チャンネル光ファイバ計測システムを実現することを目的として実施中である。平成16年度の成果は以下の通り。 1.オートチューニング機構の検討(浅沼,新妻) ・振動子・ダイアフラムに電圧を印加しギャップ長を制御する方法について,感度,安定性,周波数特性,干渉計との両立性等について検討し,具体的な構造を決定した。ここでは,振動シミュレータにより本センサの周波数特性を評価し,設計に用いた。 ・フィードバック部の電子回路をディジタル回路シミュレータを用いて設計・試作し,性能を評価した。 ・電源投入時のオートチューニングアルゴリズムを検討し,上記電子回路に組み込んだ。 2.フィードバック機構を組み込んだセンサの試作(浅沼,新妻,江刺) ・申請者らが開発してきた光干渉型超音波センサに,(1)で検討したフィードバック機構を導入するために,センサを再設計した。 ・設計した各センサを微細加工技術を用いて製作するために,フォトリソグラフィー,エッチング,スパッタリング,陽極接合等よりなる微細加工プロセスを設計した。 ・センサを試作し,周波数特性,感度,ダイナミックレンジを測定した。 3.多チャンネル計測システムの開発(浅沼,新妻) ・単波長レーザと(2)で開発したセンサ・オートチューニングシステムを用いて,単一のセンサを用いたシステムを実現した。 ・白色光源と(2)で開発したセンサを用いた波長領域での多重化伝送法,復元法を検討開始した。 ・センサ部を光学フィルタで置き換えた試験システムを検討した。 フィードバック部からの情報を用いた直流部分(温度,静水圧,傾斜等)と交流成分(加速度,変位,音圧等)の同時計測法を検討した。
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