2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菅原 勝彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60109668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 順 熊本大学, 工学部, 教授 (30203821)
尾原 祐三 熊本大学, 工学部, 教授 (50135315)
小池 克明 熊本大学, 工学部, 助教授 (80205294)
佐藤 晃 熊本大学, 工学部, 助手 (40305008)
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Keywords | 岩石非破壊試験 / 移流拡散 / トレーサー密度時間積分 / X線CT / 造影亀裂投影法 |
Research Abstract |
X線CT法を用いる岩石非破壊試験法の実用化に向けて、現有の空間分解能に優れた産業用X線CTスキャナーを駆使し、かつこれまでに蓄積したX線CT技術のノウハウを用いて、当初の計画通りに、4つの研究課題、すなわち、1)移流拡散試験の実用システム開発、2)岩石内定常流可視化分析技術の精密化、3)トレーサー密度時間積分法の多孔質材料への適用、4)造影亀裂投影法の開発を行った。とくに、トレーサー等を用いる高度な試験技術の構築と可視化技術の精密化に焦点を絞って研究を展開し、当初の見込みを上回る成果を挙げた。主な研究成果はつぎのようである。 1)移流拡散試験の実用システム開発 特殊調合トレーサーの粘性係数、拡散定数、分散定数の精査、並びにX線透過型耐圧カプセルの小型化・耐圧化により、世界に先駆けて実用的試験システムを構築し、恒温多段階加圧移流拡散試験の迅速化に成功した。 2)岩石内定常流可視化分析技術の精密化 トレーサーX線CT法による輸送拡散場の鮮鋭可視化と速度構造解析に必要な基本的実験手法、並びに画像処理法を開発した。 3)トレーサー密度時間積分法の多孔質材料への適用 空隙率10〜60%の多孔質人工材料内の巨視的1次元定常流を可視化し、岩石内輸送拡散の構造依存性に関する今後の研究に有用な資料を提供した。 4)造影亀裂投影法の開発 亀裂投影法は亀裂による投影の減少を利用して亀裂幅を測定する方法である。この方法の精密化に取り組み、トレーサー技術を駆使する造影亀裂投影法の開発に成功した。具体的には、亀裂内の空気を高密度トレーサーで置き換えた場合のX線CT画像の変化を用いることにより、亀裂幅の測定精度を飛躍的に向上させた。 さらに、本研究の成果を国際的に発信するために、平成18年10月5日〜7日にフランスのグルノーブルでグルノーブル大学と国際会議を共催する。この国際会議は、平成15年11月6日〜7日に熊本で主催した「X線CTの地盤工学への応用に関する国際ワークショップ」に続くものである。その成果はBalkema社から英文専門書「X-ray CT for Geomaterials」として発刊する予定である。
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Research Products
(6 results)