2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波加熱中性リチウムビームの開発とダイバータプラズマ研究への応用
Project/Area Number |
16360461
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
井口 春和 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (40115522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 友宏 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60280591)
後藤 基志 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00290916)
岡村 昇一 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60115540)
佐藤 元泰 核融合科学研究所, 連携研究推進センター, 教授 (60115855)
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Keywords | リチウムビーム / マイクロ波焼結 / ダイバータプラズマ / ビームプローブ / イオンソース / ベータ・ユークリプタイト / プラズマ計測 / ビームプローブ分光 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、真空マイクロ波焼結法によって大口径(50ミリ径)のベータ・ユークリプタイト円盤をガラス化し、高輝度イオンソースとしての性能を実証することを目標に、今年度から本格的な加熱実験を行った。その結果以下の問題点が明らかになった。 ○イオンソースの体積を大きくすると、1.3kW/CWマイク白波出力では、ガラス化に必要な温度1.300度Cにまで昇温出来ない。焼結釜の大きさは50ミリ径のイオンソースをマウントできる程度の熱容量の小さい小型のものである。しかし、真空容器はイオン源電極をマウントするために直径250ミリ、高さ300ミリの大きさがある。現状の配置では、マイクロ波吸収体近傍で電界密度を局所的に上げることができていないためと考えられる。現在改良を検討している点は、(1)導波管サイズのメッシュ構造ガイドを接続して、焼結釜付近の電界密度を上げること、(2)マイクロ波出力の大きな(3kW以上)発振器に交換すること、等である。 したがって、現段階では目標のイオンソースの生成にまでは至っていない。 一方、小型のイオンソース(6ミリ径)は従来型イオンガンを用いて0.1mAレベルのビーム引き出しが可能なので、CHS実験の最終年度であることを考慮して、エッジプラズマ構造の2次元計測を集中的に行った。その結果、エルゴディック層におけるプラズマ構造の上下非対称を、ヘリカルダイバータ配位としては初めて実験的に観測した。この部分の磁場構造はカオス的であるが、本来的には上下対称である。エルゴディック層は磁力線が長いため一定の閉じ込め時間を有するので、準平衡状態にあると考えられる。観測されたプラズマ構造の非対称性は、この領域のプラズマを記述する時、流れを含む新たな2次元平衡モデルが必要なことを示唆している。また、2次元のプラズマ構造の観測に成功したことは、ビームを使ったイメージング計測の実証でもある。今後、大型核融合実験装置においても、特に磁気面関数で記述出来ないエッジ領域で、高輝度リチウムビームが有効であることの見通しを示した。
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Research Products
(2 results)