2006 Fiscal Year Annual Research Report
エンコーディング法を用いた高分解能2次元マルチグリッド型MSGCの開発
Project/Area Number |
16360469
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 浩之 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (70216753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原林 順 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80283414)
藤田 薫 東京大学, 大学院工学系研究科, 特任助手 (60401147)
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Keywords | MSGC / 中性子散乱実験 / X線 / 中性子 / マイクロパターンガス検出器 / 比例計数管 / 画像検出器 |
Research Abstract |
本年度は平成17年度の成果をもとにして、2次元中性子位置検出器として十分な応用が考えられる100mm角の検出器について、He-3ガスとCF4ガスの混合ガスを用い、中性子ビームでの試験を行ったが、プレートの耐圧の問題からリーク電流が大きくなりデータを得るまでには至らなかった。そこで、新たにアノード間を800μmピッチに広げた電極パターンを設計し、これを用いて64mm角の検出器の試作を行った。X線を用いた試験結果では、位置分解能では800μmが得られたほか、0.5気圧のHe-3ガスと2気圧のCF4ガスの混合ガス中で動作させ、中性子信号パルスを取得した。この結果、ガス増幅度10程度で動作させることができ、立ち上がり時間として400ns程度の値が得られた。これらの結果により高速・高分解能2次元検出器が実現できるものと考えられる。また、更なる大面積MSGCの実現へ向けたグローバル・ローカル読み出し法の変形版として、カソードのパターン密度を幾何学的に変化させ、電荷分割を2段階に実施する方式のプレートを用いて実験を進め、アノードを2本持つ640mm長の長尺型のプレートを用いて、0.5気圧のHe-3ガスと2気圧のCF4ガスの混合ガス中で動作させ、原研機構のJRR-3において1mm幅にコリメートした中性子ビームを用いて検出器の特性測定実験を詳細に行った結果、検出器の有感領域全体で良好に動作していることが確認された。また、有感領域全体における位置分解能の実測値としては2mm前後の値であるが、CF4のガス圧を更に高めて動作させることにより、位置分解能としてより高い値が期待できるものと考えられ、本方式による中性子計測技術の高度化が期待される。これらの成果は、日本原子力学会、日本中性子科学会、IEEE Nuclear Science Symposiumなど国内外の学会において報告した。
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Research Products
(4 results)