2005 Fiscal Year Annual Research Report
鉄酸化細菌を利用したウランの酸化還元と分離プロセスへのその応用
Project/Area Number |
16360472
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 一良 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎田 洋一 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40168795)
澤田 佳代 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90372531)
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Keywords | 放射性廃棄物 / 微生物 / 鉄酸化細菌 / 酸化還元 / ウラン / 地層処分 / 還元性雰囲気 / 核種移行 |
Research Abstract |
平成17年度は,還元性雰囲気における鉄酸化細菌とウランの相互作用について調べた。実験の手法としては,平成16年度の酸化性雰囲気の試験と基本的に同じ手順を用いた。オートクレーブによるガラス器具の滅菌処理,クリーンベンチ内での培液のフィルター滅菌処理,鉄酸化細菌の植菌作業,分光器を用いた分析作業は酸化性雰囲気と同様に行った。ただし,還元性雰囲気での培養の際には,培養は以下の手順で行った。まず,培液とウラン溶液と鉄酸化細菌をクリーンベンチ内でガラス容器に封入した。このガラス容器をHe雰囲気下のグローブボックス内に持ち込み,培液を混合ガス(H_2 80%,CO_2 20%)でバブリングし,容器内のガスを混合ガスに置換し,この容器を密封した。これをインキュベーター内で恒温保存し,菌の培養を行った。還元性雰囲気の実験では,鉄酸化細菌とウラン(VI)との相互作用を調べた。還元性雰囲気においては,鉄酸化細菌は鉄(III)を鉄(II)に還元する能力を持っている。そこで,還元性雰囲気で鉄酸化細菌はウラン(VI)に対してもウラン(IV)に還元する能力を有するのか調べた。ウランの価数の変化はアルセナゾ(III)法を用いて定量的に調べ,同時に還元のメカニズムを明らかにするために,溶液中の酸化還元電位ならびにpHを測定した。還元性雰囲気の試験の場合,ウランの実験開始時の価数の調整が特に重要と考えられるため,特にこの点を注意して実験を行った。次に,還元雰囲気における鉄酸化細菌-鉄-ウラン共存系における鉄酸化細菌の培養実験を行った。鉄が3価の場合,鉄酸化細菌は鉄を還元する能力を有するが,このときウラン(VI)は直接的には還元されなかった。
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Research Products
(3 results)