2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360479
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 隆 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20314049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 吉明 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50109287)
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Keywords | 熱電変換 / 酸化物材料 / 薄膜 / 微細組織 |
Research Abstract |
熱電変換材料の開発は、熱電性能として実用化の目安になるZT=1の無次元性能指数を示すBiTe系やPbTe系などの重金属を用いた合金系材料が主流であった。しかし、希少元素で毒性があり、高温、空気中での耐久性に乏しいため、使用上の問題点があった。近年、酸化物系材料などの超格子構造が、熱電特性の向上に有効であることが報告されている。「低次元・異方構造」を持つ酸化物材料は、環境負荷が小さく、原料が安価で、高温大気中でも安定であることから合金系材料に変わる熱電材料として期待されている。本研究では、導電層と絶縁層が交互に積み重なった自然超格子構造を有する強相関電子系酸化物を母材としたRE_<2-x>M_xCuO_4(RE214系:REMCO)材料に着眼した。また、薄膜化技術を用い、エピタキシャル成長させ、さらにRE^<3+>の一部をM^<4+>(M^<4+>=Ce^<4+>)、M^<2+>(Ca^<2+>,Sr^<2+>,Ba^<2+>)で置換して電子・ホールドーピングすることによりキャリア制御をしたn型Sm_<2-x>Ce_xCuO_4(SCCO),p型La_<2-x>M_xCuO_4(LMCO)酸化物熱電薄膜の作製を行い、RE214系における熱電材料としての可能性を検討した。 作製条件の最適化を図ることにより、c軸配向したp型、n型RE214薄膜を得た。n型SCCO薄膜のゼーベック係数(S)と抵抗率(p)の関係から、電子ドーピング元素が増えると抵抗率が一様に減少することを確認した。 またゼーベック係数の絶対値も同様の傾向を示した。熱電変換材料の熱電性能の一種であるPower Factor : PF(出力因子)の温度依存性の結果から、REMCO薄膜は室温領域において10^<-3>W/mk^2程度の優れた熱電特性を示し、実用化材料BiTe系に匹敵することがわかった。また、n, p型薄膜が各置換量に対して同じPFの値を示すことがわかった。薄膜のPFのキャリア密度依存性から、ある組成で極大値を持つことがわかった。キャリア密度が10^<20>cm^<-3>台を示すCe置換量x=0.02-0.05の間で最もPFが高くなることが予想される。また、その最も高いPFは無配向焼結体Nd_<2-x>Ce_xCuO_4のPFより約10倍程度高かった。 以上より、RE214系において優れた熱電特性を示すには、 (1)結晶配向性を向上する(2)キャリア密度を制御することが重要であることを確認した。
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Research Products
(1 results)