2005 Fiscal Year Annual Research Report
メチオニン生合成の鍵酵素遺伝子における翻訳停止とmRNA安定性制御の分子機構
Project/Area Number |
16370016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内藤 哲 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20164105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾之内 均 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50322839)
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Keywords | 代謝制御 / シスタチオニン γ-シンターゼ / S-アデノシルメチオニン / メチオニン / RNA分解制御 / シロイヌナズナ / 突然変異株 |
Research Abstract |
シロイヌナズナのシスタチオニンγ-シンターゼ(CGS)遺伝子のmRNAはS-アデノシルメチオニン(SAM)に応答して特異的な翻訳停止が起こり,これが引き金となってmRNAが分解される.CGSはメチオニン生合成の鍵段階を触媒するが,他の多くの鍵段階の酵素とは異なってアロステリック酵素ではなく,SAMによるCGS mRNAの分解でフィードバック制御を受けている.この制御に必要なシス領域内部のCys-Serの2アミノ酸を他のアミノ酸に置換したmRNAを試験管内転写で調製し,コムギ胚芽試験管内翻訳系を用いた解析を行った.野生型配列を持つmRNAの場合には,SAMのアナログであるS-アデノシルエチオニン(SAE)に対してSAMと同程度に応答する.Cys-Serを置換した配列を持つmRNAでは,SAMとSAEに対する応答の程度に違いが見られた.この制御を遺伝学的に解析するため,シロイヌナズナ変異株の分離・解析を行った.CGS第1エキソン領域とレポーター遺伝子を読み枠を合わせてつなぎ,カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターの制御下に置いた融合遺伝子を導入したシロイヌナズナ株を用いて,レポーター活性を指標としたスクリーニングと得られた変異のマッピングを行った.このうち,cms1-1と名付けた変異株では,レポーター活性が高まると共に,CGS mRNAの半減期が長くなっている.マップベースト・クローニングにより原因遺伝子を同定したところ,MATHドメインを持つタンパク質をコードしていることが明らかになった.
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Research Products
(2 results)