2005 Fiscal Year Annual Research Report
シアノバクテリアの新規光受容体と光応答系の機能・構造解析
Project/Area Number |
16370018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 昌彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20159601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 光徳 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80345066)
吉原 静恵 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (20382236)
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Keywords | シアノバクテリア / 光受容体 / フィトクロム / 走光性 / BLUF型光受容体 / 結晶構造解析 / 部位特異変異体解析 / シアノバクテリオクロム |
Research Abstract |
シアノバクテリアの走光性の光受容体TePixJを好熱性シアノバクテリアからクローニングし、Synechocystisにて発現させ、純度の高い標品を得た。この分光特性は昨年度にわれわれが同定したSynechocystisのSyPixJ1とまったく同じであるが、光反転をほとんど示さなかった。螢光特性は、Pg型が螢光を出すのに対し、Pb型は螢光を出さなかった。質量分析により、予想していた保存されたCys残基にA環がチオエーテル結合していることを明らかにした。さらに、多数のGAF型光受容体ドメインを単離精製し、さまざまな分光特性の新規光受容体が続々と同定できることが判明した。 2つめの走光性の光受容体TePixDの結晶構造を昨年度に決定したが、これに基づき、さまざまな部位特異変異体を作製し、光応答反応に保存されたGln50とTyr8が重要な水素結合ネットワークを形成していることを実証した。また、これらの残基を別の残基に置換すると、PixDとはまったく異なるPhototropin型の光反応を示すことを見いだした。これは、フラビン型光受容体の普遍的な反応制御機構の一端を示している。SyPixDとSyPixEの相互作用を酵母2ハイブリッド相互作用とプルダウン実験にて実証し、光反応によってこの相互作用が消滅することを見いだした。このしくみが、走光性のスイッチングにかかわっていると結論した。
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Research Products
(6 results)