2005 Fiscal Year Annual Research Report
花のホメオティック遺伝子のエピジェネティックな発現制御に関わる分子機構の解明
Project/Area Number |
16370029
|
Research Institution | Notional Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
高辻 博志 独立行政法人農業生物資源研究所, 生理機能研究グループ・形態発生研究チーム, チーム長 (10360455)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土本 卓 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (60212057)
|
Keywords | ホメオティック遺伝子 / エピジェネティック制御 / DNAメチル化 / siRNA / エクトピック発現 / 遺伝子サイレンシング / curly leaf / MADS-box遺伝子 |
Research Abstract |
ペチュニアのクラスCホメオティック遺伝子pMADS3は雄ずいおよび雌ずいに特異的に発現し、その組織特異的発現はイントロン2中の転写制御領域を介して制御されている。pMADS3のゲノムDNA断片をペチュニアに導入することにより、pMADS3サイレンシング系統、および、花弁とがく片、茎葉に内在性pMADS3がエクトピック発現する(ect-pMADS3)系統が見出され、新規なエピジェネティック転写制御であると考えられた。昨年度までの解析により、ect-pMADS3表現型の発現には、pMADS3イントロン2が導入遺伝子に含まれていることが必須であり、分離によって導入遺伝子を失った後代にもect-pMADS3表現型が現れることなどが示されている。さらに、ect-pMADS3表現型を示す形質転換体では、イントロン2配列を含む異常RNAの蓄積が認められたことから、RNA-directed DNA Methylation(RdDM)の関与が推測された。今年度は、これについて検証するため、イントロン2の部分配列を標的とした逆反復配列を発現させて、RdDMを誘導することにより、ect-pMADS3現象を再現することができるか検討した。その結果、イントロン2(4kb)の部分配列(1kb)の逆反復配列を発現させた形質転換系統において、pMADS3エクトピック発現が誘導されることが示された。また、これらの系統では、逆反復配列の標的としたDNA配列がメチル化されていることが確認された。これらの結果は、pMADS3のエクトピック発現に、転写制御領域を含むDNA配列のRdDMを介したエピジェネティック制御が関与していることを示している。
|
Research Products
(3 results)