2005 Fiscal Year Annual Research Report
両性類をモデルとした脳下垂体の発生、構造および機能に関する統合的研究
Project/Area Number |
16370031
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊山 榮 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20063638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 尚志 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80350388)
岡田 令子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (50386554)
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Keywords | 動物形態 / 実験形態 |
Research Abstract |
1)下垂体の発生学的研究 ヒキガエル胚の下垂体原基を抗原としてモノクローナル抗体のうちの一つ(S6B6)は下垂体および嗅覚系を認識する。この抗原分子を特定するために、抗体カラムを作製しアフィニティ精製を試み、吸着画分を多量にあつめて更に逆相カラムクロマトグラフィーで精製し、アミノ酸配列の解析にそなえている。脳下垂体原基から脳および腸上皮に侵入する細胞の発生運命を追跡し、消化管ペプチド産生細胞群・神経ホルモン細胞との発生学的連関を探るために、下垂体原基の移植供与体として蛍光タンパク遺伝子を発現するツメガエル胚が必要であり、上記性質を有するツメガエルを得た。今後それから卵を得て発生させ、胚を得る予定である。 2)生殖行動関連フェロモンおよび下垂体ホルモンの中枢作用 生殖行動に関連するフェロモンやホルモンによる刺激に対する中枢の反応をしらべる手段として、刺激に対して早い反応をしめす遺伝子egr1のクローニングをイモリで行った。それを用いてegr1 mRNAの発現をしらべたところ、PRL(プロラクチン)存在下でchoroid plexusに強い発現がみられた。またそこにはPRL受容体の存在もみとめられた。PRLは中枢に働いて求愛行動の発現を引き起こすホルモンであるところから、PRLの脳内移送にchoroid plexusが関与していることが示唆された。 3)活性ペプチドの下垂体細胞機能調節 我々はCRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)が視床下部の主たるTSH(甲状腺刺激ホルモン)放出因子であることをつきとめた。更にCRF1型および2型受容体cDNAのクローニングに成功した。1型、2型mRNAは、ともに下垂体で発現しているが、それぞれの受容体のアンタゴニストを用いた実験および1型、2型特異的なCRFのアゴニストを使った実験により、CRFによるTSH放出は2型受容体を介することをつきとめた。
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Research Products
(5 results)