Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 亮太 徳島文理大学, 香川薬学部, 講師 (40334338)
小林 卓 徳島文理大学, 香川薬学部, 助手 (50325867)
定本 久世 徳島文理大学, 香川薬学部, 助手 (70374220)
箕田 康一 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教授 (50281845)
齊藤 玉緒 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (30281843)
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Research Abstract |
本研究の最終目的は,一つの神経細胞の中の特定の遺伝子発現が,どのように動物個体の行動変容を引き起こすのか,その機構を解明する手法を開拓し,そして実際に,遺伝子発現機構から生物の階層性に沿った形で行動変容機構を詳細に解明するところにある.そこで平成18年度は,神経細胞1個の中の転写因子タンパク質の定量方法の確立を急いだ.極微量タンパク質の超高感度定量解析法としては,酵素サイクリング法を改良・発展させ,1個の細胞内のタンパク質1個を定量する技術の開発を目指した.極微量タンパク質の超高感度測定法は,酵素サイクリング法と酵素免疫測定法(ELISA法)とを組み合せた.具体的には,まずは酵素サイクリングのターンオーバー数をさらに上げると共に,抗体に標識した酵素のターンオーバー数が,理論値の50%程度にはなるような酵素標識抗体を作製した.次に,抗体に標識する酵素と同種の酵素が測定試薬中に混在することに由来してしまうブランク反応を,いかに低減させるかが問題であった.そこで原料試薬中に混在する酵素の除去方法として,熱処理,ゲルろ過処理等,または自殺基質を用いて酵素の活性部位を修飾することにより,酵素を失活させた.また,免疫的除去処理としては,由来の異なる酵素に対してできるだけ幅広くクロス反応する抗体を組み合せたアフィニティーカラムを作製し,アフィニティークロマト処理を行って除去するか,中和抗体を作製し,混在する酵素を失活させた.最後に,酵素標識抗体の非特異的吸着反応をいかに無くすかを考えた.非特異的に吸着した酵素標識抗体によるブランク反応も,前述の測定試薬中に混在する酵素によるブランク反応と同様に測定系のS/N比を下げ,やはり極微量タンパク質の測定はできなくなってしまうので,抗原(タンパク質)と酵素標識抗体の反応効率を上げ,酵素標識抗体の非特異的吸着反応を無くす方法を開発した.
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