2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370036
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺北 明久 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30212062)
|
Keywords | ロドプシン / 対イオン / レチナールシッフ塩基 / G蛋白質共役型受容体 |
Research Abstract |
対イオンに着目した光受容蛋白質の多様性の解明を目的とし、(1)分子進化的中間型ロドプシン類・パラピノプシンが駆動する情報伝達系を明らかにするためにパラピノプシンが供役するG蛋白質とアレスチンの検索し、(2)脊椎動物の概日時計への光入力系の光受容体であるメラノプシンの分子特性と機能を解析するとともに、(3)多様なロドプシン類のループを置換した変異体のG蛋白質活性化能を詳細に検討し、対イオンの位置とG蛋白質活性化能との関連を比較検討した。 (1)前年度にクローニングした、4種類のG蛋白質に対する抗体を作製し、パラピノプシンと共局在するG蛋白質の検索を行ってた。トランスデューシンではないことは明らかにしたが、結論を得るには至っていない。また、パラピノプシンは、視細胞に存在するアレスチンとは全く異なるタイプのアレスチンと共役していることを発見した。 (2)Glu181を対イオンにすると考えられ、無脊椎動物視物質と近縁であるナメクジウオメラノプシンの分子特性をイカ視物質と比較しながら生化学的、分光学的に解析した。ナメクジウオメラノプシン類は、分光学的にもG蛋白質の活性化能についてもイカロドプシンとよく似ていることを明らかにした。 (3)多様な視物質のG蛋白質活性化能の定量的比較解析 パラピノプシンの細胞内第2ループと第3ループをウシロドプシンに組み入れた変異体とウシロドプシンの第2ループと第3ループをパラピノプシンに組み入れた変異体を作製し、G蛋白質の活性化能を比較した。野生型ウシロドプシンは野生型パラピノプシンのおよそ15倍G蛋白質の活性化能が高かった。また、すべたのウシロドプシン変異体はパラピノプシン変異体よりも同程度高いG蛋白質活性化能を示した。すなわち、G蛋白質の活性化能の違いはG蛋白質との相互作用部位であるループ部分の違いではなく、ヘリックス部分の構造変化の違いに由来することが示唆された。
|
Research Products
(6 results)