2004 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の光周性における光受容器から出力系にいたる中枢機構の解明
Project/Area Number |
16370038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
沼田 英治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70172749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 向子 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90254383)
後藤 慎介 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70347483)
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Keywords | ホソヘリカメムシ / ルリキンバエ / eyelet / PERIOD / 光周性 / 成虫休眠 |
Research Abstract |
光周性の神経機構には光受容器、光周時計、出力系が存在すると考えられる。本研究ではホソヘリカメムシとルリキンバエにおいて、光受容器から出力系にいたる中枢機構を明らかにすることを目的とする。 本年度は、ホソヘリカメムシを用いてまず光受容器である複眼からHorseradish peroxidaseを注入し、視細胞から脳内への投射形態を調べた。その結果、光周性には関連しない複眼周辺部では、視細胞の軸索がキアズマを経由して視小板周辺部へ投射していた。一方、光周期の受容に重要な複眼中央部の視細胞群は視小板の中央領域へ投射していることがわかった。次に、内分泌出力系を担うアラタ体へ終末する脳ニューロンを形態学的に同定した。そして、脳側方部に細胞体を持つニューロンがアラタ体の内部とその周辺に分枝していることがわかった。一方、アラタ体近くの大動脈へは脳間部に細胞体を持つニューロンが終末することがわかった。 ルリキンバエではまず、光受容器の候補としてPt-eyeletの光周性における役割について調べた。除去実験の結果、Pt-eyeletが無くても光周性を示したことから、Pt-eyeletの光周性への関与は支持されなかった。次に、光周時計の神経要素を探る手がかりとして、概日時計ニューロンの形態学的な解析を行った。脳内の時計タンパク質PERIODに対する免疫陽性細胞を調べた結果、ルリキンバエの歩行活動リズムに重要なPDFニューロンおよびそれ以外の3グループのニューロンにPERIODが存在することがわかった。
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Research Products
(2 results)