2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナメクジウオ類の進化-現生種を網羅した分子系統樹による全体像の把握
Project/Area Number |
16370044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西川 輝昭 名古屋大学, 博物館, 教授 (50126885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 睦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90136896)
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Keywords | ナメクジウオ類 / 分子系統樹 / ミトコンドリアゲノム / データベース誤登録 / Branchiostoma lanceolatum / オナガナメクジウオ / 隠蔽種 / Asymmetron |
Research Abstract |
(1)標本の現地採集: 代表者西川が、2005年4月にフィリッピン・ネグロス島周辺と沖縄県黒島、10月から11月にアラブ首長国連邦アブダビ、タンザニア共和国ダルエスサラーム、および南アフリカ共和国ケープタウンにおいて、さらに、西川と研究協力者昆健志博士が6月にハワイ・オアフ島、および2006年2月から3月にニューカレドニアにおいて、それぞれSCUBA潜水調査を行った。その結果、オナガナメクジウオ種群Asymmetron lucayanum complex(複数種を含む)、カタナメクジウオEpigonichthys maldivensis、E.cultellus、およびBranchiostoma arabiaeを採集することができた。 (2)形態と分子の解析: 分子系統学的解析は、研究分担者西田のところで、東大海洋研・COE研究拠点形成特任研究員昆健志博士の協力をえて実施した。ミトコンドリアゲノムの配列データを基礎に、最尤法、最節約法、ベーズ法など、さまざまな系統解析法を用いて系統樹の構築をすすめた。 (3)研究成果の公表: ・"Branchiostoma lanceolatum"として遺伝子データベースに登録されていたものは、B.floridae由来の試料を分析した結果であることを学会誌に発表した(Nohara et al.,2005)。 ・オナガナメクジウオAsymmetron lucayanumという汎世界的分布種が、形態的に酷似するが分子情報によって明瞭に識別できる3種からなる「種群」であることを学会誌に発表した(Kon et al.,2006)。 ・これまでの成果を総まとめした総説を、一般誌に発表した(西川他,2005)。 ・オナガナメクジウオ種群の種分化について、日本進化学会2005年大会で口頭発表した(昆他)。
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Research Products
(3 results)