2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス的手法を用いたユビキチン化修飾の多様な機能の解明
Project/Area Number |
16370047
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横沢 英良 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90012765)
|
Keywords | ユビキチン / 翻訳後修飾 / ペプチドマスフィンガープリント法 / ポリユビキチン類 / ユビキチン様蛋白質 / プロテオミクス |
Research Abstract |
1.Lsb2に共有結合するポリユビキチン鎖の結合特異性の決定:Las17に結合するSH3ドメイン含有蛋白質Lsb2は、ポリユビキチン化される。Lsb2に共有結合したポリユビキチン鎖を切り出してトリプシンで消化後、ペプチド・マス・フィンガープリント法により解析し、Lys63残基を介するポリユビキチン鎖に特異的なマスピークを検出した。また、このポリユビキチン化がHECT型ユビキチンリガーゼRsp5によって触媒されることを明らかにした。さらに、ユビキチンが共有結合している分岐型ペプチドの解析から、ユビキチン化サイトとしてLys80残基を同定した。2.Tom1が認識するポリユビキチン鎖の結合特異性の決定:VHSドメイン含有蛋白質Tom1は、ポリユビキチン鎖を結合できる。Tom1が結合できるポリユビキチン鎖の結合特異性をペプチド・マス・フィンガープリント法により解析し、Lys48残基を介するポリユビキチン鎖に特異的なマスピークを検出した。3.ISG15による翻訳後修飾の解析:ユビキチン様蛋白質ISG15は、ユビキチン化と類似の反応で標的蛋白質に共有結合する(ISG化)。ISG化の機能を明らかにするために,ISG化される標的蛋白質のプロテオミクス的解析を行った。HeLa細胞にFlag-ISG15をE1酵素及びE2酵素と共に発現し、抗Flag抗体を用いて免疫沈降後、得られた免疫沈降物からFlagペプチドを用いて溶出することにより、ISG化された標的タンパク質群を単離した。得られた標的タンパク質をペプチド・マス・フィンガープリント法により解析し、6個の新規標的蛋白質を同定した。その中で、プロテインホスファターゼPP2Cβに着目して機能解析を行い、ISG15が、PP2Cβの翻訳後修飾を介して,NF-κBシグナル伝達系を制御することを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)