2005 Fiscal Year Annual Research Report
ENFペプチドによる血球細胞活性化機構の構造生物学的解析
Project/Area Number |
16370049
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河野 敬一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10136492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 洋一 佐賀大学, 農学部, 教授 (50164926)
川畑 俊一郎 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183037)
水口 峰之 富山大学, 薬学部, 助教授 (30332662)
相沢 智康 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40333596)
出村 誠 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70188704)
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Keywords | 自然免疫 / タンパク質 / 立体構造解析 / ペプチド / 無脊椎動物 |
Research Abstract |
GBPはカリヤコマユバチに寄生されたアワヨトウ幼虫から単離された25残基のアミノ酸からなるサイトカインである。GBPの3次構造はしっかりした構造をもつコア領域とフレキシブルなN、C末端からなる。昨年度は、フレキシブルなN末端領域が活性発現に重要であることから、この領域に挿入、置換、削除した各種部位特異的変異体を構築して、GBPとその受容体の相互作用様式について検討を加えた。今年度は、更にC末端領域について検討した。未寄生の幼虫では23残基のGBPが発現しているが寄生に伴って終止コドンがTyrに翻訳され28残基からなるC端の延長した1-28GBPとなる。1-28GBPは野生型の1-25GBPよりも高い活性を示すことからその機構を解明することは興味深い。我々はC端部分がレセプターとの結合に何らかの役割を果たしているのではないかと考え、疎水性環境での1-28GBPの立体構造変化を検討した。疎水性環境ではF23,Y24,I27の側差間で新たなNOEが得られたことから、C端部分の活性への寄与はレセプターとの疎水相互作用であることが示唆された。 昆虫サイトカインはGBPの他にも多数存在することが推定されるが、現在までほとんど発見されていない。そこで今年度は、新規サイトカインを血球細胞活性化活性を指標として探索した。無脊椎動物では血液凝固系が発達していないことから、外皮には細胞免疫系を活性化する様々な因子が存在するとの仮説をたて、アワヨトウ幼虫外皮抽出液から、熱処理、粗精製、5段階の逆相HPLCを経て新規サイトカインを単離し、21残基の配列決定に成功した。更にcDNAのクローニングを行い、32残基の全長配列を決定できた。合成ペプチドによっても血球活性化活性を確認できた。次年度は更に組織特異性、活性発現機構等について研究を進める。
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Research Products
(8 results)