2006 Fiscal Year Annual Research Report
ENFペプチドによる血球細胞活性化機構の構造生物学的解析
Project/Area Number |
16370049
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河野 敬一 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (10136492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 洋一 佐賀大学, 農学部, 教授 (50164926)
川畑 俊一郎 九州大学, 大学院理学研究科, 教授 (90183037)
水口 峰之 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (30332662)
相沢 智康 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助教授 (40333596)
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Keywords | 自然免疫 / タンパク質 / 立体構造解析 / ペプチド / 無脊椎動物 |
Research Abstract |
昆虫サイトカインはGBPの他にも多数存在することが推定されるが、現在までほとんど発見されていない。我々は、新規サイトカインを血球細胞活性化活性を指標として探索した。無脊椎動物では血液凝固系が発達していないことから、外皮には細胞免疫系を活性化する様々な因子が存在するとの仮説をたて、アワヨトウ幼虫外皮抽出液から、熱処理、粗精製、5段階の逆相HPLCを経て新規サイトカインAGFを単離し、21残基の配列決定に成功した。更にcDNAのクローニングを行い、32残基の全長配列を決定できた。合成ペプチドによっても血球活性化活性を確認できた。この新規サイトカインAGFの発現系を構築することに成功し、15N均一標識したペプチドを得ることができた。ほぼ全てのシグナルを帰属することができたので、距離情報を収集して溶液中の立体構造解析を行った。得られたAGFの立体構造は相同性の低いアミノ酸配列をもつにも拘らずGBPの立体構造と高い相同性を示した。この結果は、レセプターがGBPと共通している可能性を含めてGBPの機能について示唆するものであった(投稿準備中)。 またGBPと膜上のレセプターとの相互作用におけるGBPのN末端部分の役割を網羅的な変異体実験により明らかにした(研究発表3)。 他にカブトガニ血球中に見出された抗菌タンパク質tachystatin Bの立体構造解析(研究発表4)、GFPトランスジェニックマウスを用いた新しい細胞観察法の開発(研究発表1)、を行った。 細胞間の情報伝達に関わっている膜タンパク質コネキシン(Cx26)のN末端部分の変異(N14Y)が角膜炎や難聴の患者に多く見られること、またその変異がN末端部分の運動性を変化させることをNMRを用いて明らかにした(研究発表2)
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Research Products
(4 results)