2004 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo系への適用を目的とした生体動的可視化プローブの開発
Project/Area Number |
16370071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長野 哲雄 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (20111552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 和也 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (70292951)
浦野 泰照 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (20292956)
小島 宏建 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (70345255)
平田 恭信 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70167609)
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Keywords | 蛍光 / 近赤外発光 / 蛍光プローブ / 一酸化窒素 / 光誘起電子移動 / 蛍光顕微鏡 / DAC / 可視化 |
Research Abstract |
本研究は放射線被曝がなく非侵襲的で,かつ高感度検出が可能な蛍光法や体外からの測定が可能な核磁気共鳴法(MRI)の手法に基づき,生組織,生体系、特にin vivo系のいわゆる「生きている状態」における生体分子をそれぞれの作用部位において直接検出し,時々刻々の変化を画像として捉える事を目的としている。生体分子(生理活性種・酵素・受容体・遺伝子など)を動的に可視化することはそれらの生理機能を解析する上で極めて重要なテクノロジーで、これにより生命科学の画期的進展が見られることは疑いない。 上記の目的を達成するために、各々の生体分子に対する特異的検出試薬となる近赤外領域波長の発光を有する可視化プローブあるいは機能性MRI画像化プローブおよび蛍光長寿命型(時間分解型)の新規蛍光可視化プローブの開発が不可欠となる。本研究ではこれらのプローブを理論的に設計・合成し,それらを用いて生理学・薬理学的解析を行い,さらに個別の生体物質に応答する血管造影やMRI等に応用可能なヒトの次世代型画像化診断薬へ展開する。 本年度はin vivo系に適用可能な近赤外領域発光の一酸化窒素に特異的な蛍光可視化プローブDACs(DAC-P & DAC-S)の開発に成功した。このプローブは光誘起電子移動を原理とした蛍光発光のOFF/ON機能を有し、一酸化窒素と反応することでベンゾトリアゾール環を形成し、800nm付近に強い近赤外領域蛍光発光を示す。生体系への応用研究として、本プローブをラット摘出腎臓の環流系に適用し、実体蛍光顕微鏡を用いて腎臓外部から一酸化窒素の生成を可視化することに成功した。これらの成果はヒトを対象とした臨床応用の為の基礎データとして極めて意義ある結果である。
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Research Products
(6 results)