2004 Fiscal Year Annual Research Report
光受容から筋肉の駆動まで-光情報ダイナミック・システムの作動原理の解明
Project/Area Number |
16370075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
津田 基之 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (60045458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 岳広 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助教授 (40280862)
中川 将司 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助手 (00212085)
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Keywords | 視細胞 / 平衡器 / チロシナーゼ / 遊泳行動 / モーターニューロン / 中枢パターン発生器 / 光応答 / 重力感受性 |
Research Abstract |
感覚受容から行動に関わる遺伝子の機能を評価する手法として、モルフォリノオリゴによる遺伝子ノックダウン法を導入した。まず視物質ロドプシン遺伝子(Ci-opsin1)をノックダウンし、眼点でのロドプシンの発現が阻害されることを抗体で示し、さらにノックダウン幼生が光に対する応答を失うことを示した。この手法により黒色色素細胞のメラニン合成酵素チロシナーゼと関連タンパク質(Ci-tyr, Ci-tyrpA, Ci-tyrpB)のノックダウンを試み、Ci-tyrをノックダウンした場合のみメラニンの合成が阻害され、且つ幼生の重力感受性が失われることを示した(2004年生物物理学会発表:論文投稿中)。 これら感覚器で受容された刺激が如何にして筋肉を駆動するかの生体システムを明らかにするため神経特異的抗体、そのプロモーターを用いたGFPにより神経回路の可視化を行った。アセチルコリン特異的抗体により、5対10個のモーターニューロンの神経終末が第1節の筋肉細胞に投射していることを明らかにした。更にGABA陽性ニューロンがこれらモーターニューロンを側抑制し、尾部運動に至るモデルを提唱した。視細胞からモーターニューロンに至る特異的神経経路を特定するため、経シナプストレーサーであるWGA遺伝子を視細胞特異的遺伝子のプロモーターに融合させ、視細胞から脳胞の2次ニューロンを経て4番目の1対のモーターニューロンに投射することを明らかにした。これらの結果から視細胞で受容された光信号が脳胞の2次ニューロンに伝えられ、さらに特定のモーターニューロンに投射され、幼生のリズムカルな遊泳行動を制御いている中枢パターン発生器(CPG : central pattern generator)を駆動することを明らかにした
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Research Products
(6 results)