2004 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリア・セントロメア様配列migSの染色体分配機構における分子機能の解明
Project/Area Number |
16370082
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
仁木 宏典 国立遺伝学研究所, 放射線・アイソトープセンター, 助教授 (70208122)
|
Keywords | 大腸菌 / 染色体 / 分配 / セントロメア / 複製起点 / 遺伝子破壊株 |
Research Abstract |
大腸菌の染色体に見いだしたセントロメア様の機能配列migSに結合するタンパク質の同定を中心に本年度の研究を進めた。DNA配列特異的な因子の分離方法として合成DNAと磁気ビーズを使った分離・精製方法を用いた。まず、合成migS配列を磁気ビーズに結合し、これを大腸菌の細胞破砕分画のうちの可溶化分画と混合し、そののち、磁力により磁気ビーズを回収した。回収した磁気ビーズに非特異的に結合しているタンパク質を除去するため、バッファーを用い洗浄処理を行った。この磁気ビーズからに結合しているタンパク質を回収したのち、SDS電気泳動ゲルに展開した。十本ほどのタンパク質のバンドが検出されたので、そのすべてについて質量分析にて遺伝子産物の同定を行った。これにより遺伝子の決まったものについて、次は遺伝子破壊株の作成を行った。まず、3遺伝子についてその破壊株を作成し、この変異株でのmigSの機能を調べた。migSが正常に働いている細胞では、複製した染色体がすみやかに両極に分離するため、複製起点領域oriCは細胞局付近に位置することになる。これを指標として検定した結果、2つの遺伝子破壊株でmigSの機能が損なわれていた。さらに、これらのタンパク質因子が試験管内でmigS配列特異的に結合するか調べるため、それぞれのタンパク質の精製を行った。一方、migS結合因子の細胞内局在性を知るため、蛍光標識タンパク質法を試みた。GFP遺伝子をこれら因子の遺伝子とC末で融合するような変異株を作成した。作成した株では、細胞全体に蛍光が観察された。さらに、融合遺伝子産物が正常な機能を保持しているか検討している。
|
Research Products
(3 results)