2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
丹羽 修身 財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所, 染色体機能領域研究部, 部長 (70144318)
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Keywords | 異数体 / 倍数体 / ゲノム再編成 / 減数分裂 / 分裂酵母 / 染色体分配 |
Research Abstract |
分裂酵母3倍体の減数分裂の細胞学的解析をおこなった。その結果、少なくとも第1分裂における染色体の脱落はほとんど無いこと、また相当の頻度で三価染色体と見られる構造が形成されることを観察した。これらの事実は、この減数分裂によって生じる異数体胞子は、大部分1nと2nの間にあることを示している。次に、ここで得られた胞子の発芽とそのあとの細胞分裂過程をペディグリー解析の手法で解析した。その結果、細胞の著しい変形を伴い、核分裂と細胞質分裂のアンカップリングや不等核分裂を伴いながら成長する細胞が存在することを確かめた。このタイプの細胞は、最終的には増殖を停止して死ぬか、安定な二倍体あるいは一倍体を作るという過程をたどる。このタイプの細胞は、おそらく異数体であると考えられるが、染色体の構成については不明である。この他にも、全く出芽しないものや、出芽のあとほとんど成長しない胞子も多く含まれる。これらの染色体構成も不明である。いずれにしても、異数体細胞の成長は強い制限を受けていると考えられる。そこで、これらの細胞が生き残る過程で、ゲノム構成に大きな再編成が起こる可能性が考えられた。このことを確かめるために、1番染色体の動原体近傍に適当な選択マーカーを導入し、選択圧のかからない条件ではほとんど生き残らない様な、1番染色体のdisomyまたは部分的disomyの選抜を可能にする系を作成した。この系を利用して、1番染色体由来のミニ染色体の作成もめざしている。これらの研究と平行して、異数性に対する許容度が分裂酵母よりも高いとされる出芽酵母でも三倍体減数分裂由来の胞子の生育について対照実験として解析を始めた。
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