2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370083
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
丹羽 修身 (財)かずさDNA研究所, 染色体機能領域研究室, 室長 (70144318)
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Keywords | 異数体 / 分裂酵母 / 細胞分裂 / 染色体異常 / 3倍体 |
Research Abstract |
昨年度までに、分裂酵母3倍体の減数分裂から生じる異数体胞子の中に、細胞の異常な伸長を伴い、高頻度で一倍体あるいは二倍体に変化するものが含まれることを確かめた。各染色体の動原体の近傍をGFPで標識し、胞子に含まれる染色体の数を測定する系を作った。これを用いて前記のタイプの胞子を解析したところ、1番染色体が2本含まれる場合が大部分であること、2番染色体および3番染色体は1本含まれる場合と2本含まれる場合があることが判明した。このタイプの胞子の分裂を追跡し、染色体の不安定化を直接観察する試みを行ったが、用いたGFPシグナルが弱かったため成功しなかった。3番染色体のdisomy細胞から、増殖速度が速くなった派生体を分離し、その染色体組成をPFG電気泳動法で解析した。その結果、2本の3番染色体の一方に欠失が生じたものが少なくとも独立に6株取得された。このうち3株についてその欠失染色体の構造を情報通信研究機構の平岡グループの協力でマイクロアレー法で解析したところ、1株は右腕の約75%の末端型欠失、他の2株は左腕の約90%の末端型欠失であることが判明した。後者2株における染色体の切断点は極めて近接していた。また、前者の派生体として欠失染色体の動原体反復配列の中で組換えが起こった結果と考えられる、約780kbの長さをもつ同腕ミニ染色体が分離された。これらの結果は異数体細胞において、何らかの機構で染色体の切断が誘発され、その結果組換え反応の頻度が高くなっていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)