2005 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能構築における脂質シグナル分子産生酵素の機能とシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
16370091
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Research Institution | UNIVERSITY OF TSUKUBA |
Principal Investigator |
金保 安則 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00214437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前浜 朝彦 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40322755)
横関 健昭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80373405)
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Keywords | 脂質性シグナル分子産生酵素 / PIP5Kβ / スパイン / PIP5Kγ661 / AP-2複合体 / シナプス小胞 / エンドサイトーシス / シグナル伝達 |
Research Abstract |
我々は、細胞膜微量構成リン脂質のホスファチジルイノシトール4-リン酸のイノシトール環5位をリン酸化して多彩な機能を有するホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸を産生するホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)に関して、この脂質シグナル分子産生酵素の神経細胞における活性化機構と生理的役割についての解析を進めてきた。その結果、以下の知見が得られた。 1.PIP5Kβはスパイン形成を制御する マウス海馬の内在性PIP5Kβは、スパインマーカー蛋白質であるPSD95と同一の画分に分画され、さらに、マウスの発生過程におけるPIP5Kβの発現パターンはPSD95と類似していた。これらの結果は、PIP5Kβがスパインにおいて機能している可能性を示唆している。さらに我々は、マウス海馬神経細胞に野生型PIP5Kβを過剰発現させると、スパイン数が顕著に減少し、活性欠失型PIP5Kβを過剰発現させるとスパイン数は増大することを見出した。これらの結果から、PIP5Kβはスパイン形成を負に制御していることが示唆された。 2.PIP5Kγ661はAP-2複合体と相互作用して、海馬神経細胞におけるシナプス小胞のエンドサイトーシスに重要な役割を果たす 我々は、三種のPIP5Kアイソザイム、α、β、γ、と二種類のPIP5Kγスプライシングバリアント、PIP5Kγ635とPIP5Kγ661、のうち、PIP5Kγ661がAP-2複合体と特異的に相互作用することを見出した。すなわち、PIP5Kγ661に特有のC末端26アミノ酸領域にAP-2複合体のβ2サブユニットのEarドメインが結合することが明らかとなった。さらに、このPIP5Kγ661のAP-2複合体との相互作用は、神経終末におけるシナプス小脳のリサイクリングに必要であることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)