2005 Fiscal Year Annual Research Report
ADAMプロテアーゼによる細胞移動制御機構の抑圧変異解析
Project/Area Number |
16370098
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
西脇 清二 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, チームリーダー (30342827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 幸彦 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 研究員 (70333325)
伊原 伸治 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 基礎科学特別研究員 (70373272)
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Keywords | 細胞移動 / ADAM family / C.elegans / 変異体 |
Research Abstract |
1.fbl-1遺伝子の解析 線虫C.elegansの分泌型ADAMプロテアーゼMIG-17は生殖巣の前後両端のDistal Tip cells(DTCs)に生殖巣の外部から働きかけ、その移動をコントロールすることにより、生殖巣の形態形成を促進する。我々はカルシウム結合細胞外基質分子fibulin-1(FBL-1)の優性変異が、MIG-17欠損によるDTCsの移動異常を抑圧できることを発見した。哺乳類ではfibulin-1はカルシウムに依存して基底膜分子nidogenに強く結合することがin vitroの実験から分かっている。そこでfbl-1変異によるmig-17変異体のDTC移動異常の抑圧にnidogenが関与するか,どうかを解析した。C.elegansのnidogen欠損変異体nid-1はDTC移動異常を示さないことが分かった。そこでmig-17;fbl-1二重変異体にさらにnid-1変異を導入したところ、fbl-1によるmig-17のDTC移動異常の抑圧は完全にキャンセルされ、mig-17単独と同様の表現型を示した。この結果から変異型FBL-1はNID-1/nidogenに依存してMIG-17の欠損を抑圧することが分かった。 2.let-2異遺伝子の解析 2つ目の抑圧変異遺伝子であるlet-2遺伝子はIV型コラーゲンα2鎖をコードすることが分かった。let-2遺伝子はもともと胚致死変異から同定された遺伝子であり、致死変異体では変異型LET-2蛋白質を含むIV型コラーゲンが筋肉細胞中で固まりを作り、基底膜に分泌されないことが知られている。そこで、我々が分離した2株の抑圧変異体でのLET-2蛋白質の分布を抗体染色により解析した。その結果、抑圧変異体では変異型LET-2が正常に分泌され、生殖巣基底膜に取り込まれていることが明らかとなった。
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