2005 Fiscal Year Annual Research Report
Eカドヘリンの機能に依存して働くマウス始原生殖細胞分化決定因子の同定
Project/Area Number |
16370100
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松居 靖久 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40241575)
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Keywords | 始原生殖細胞 / GFP / 細胞分化 / 遺伝子 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
マウスの始原生殖細胞は胚発生の初期段階で、多能性を持つ幹細胞の集団であるエピブラストから、前駆細胞を経て分化決定を受ける。そのメカニズムを解明するために、鍵になる遺伝子を同定する目的で、分化決定を受ける前の前駆細胞と、分化したばかりの始原生殖細胞を、これらの細胞で特異的に蛍光タンパク質GFPを発現するmil-1/GFPトランスジェニックマウス胚からGFPの発現を指標に単離し、それらを材料に両者で発現差のある遺伝子のスクリーニングを試みている。まず単離した10細胞程度からcDNAを合成しPCRで増幅した。次に分化直後の始原生殖細胞から得たcDNAをファージベクターに組み込み、そのcDNA自身と、前駆細胞および体細胞から同様に作ったcDNAでハイブリダイゼーションを行い、始原生殖細胞でより強いシグナルを与えるクローンを選択した。これまでに約9000遺伝子をスクリーニングし、このうち約80遺伝子が、前駆細胞や体細胞に比べて始原生殖細胞で強く発現する候補遺伝子として同定されている。候補遺伝子の塩基配列を調べた結果、多くはデータベース上にゲノムの配列のみが登録されている新しい遺伝子であることがわかった。またいくつかの遺伝子は、生殖巣や多能性幹細胞のESTにのみ含まれており、生殖系列細胞特異的な発現をしていることが示唆された。現在、さらに多くの遺伝子をスクリーニングし候補遺伝子を増やすとともに、得られた候補遺伝子の始原生殖細胞特異的な発現をホールマウントin situハイブリダイゼーションにより調べている。
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Research Products
(7 results)