2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370105
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
今村 律子 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (00176504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 勝 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20200553)
綿貫 茂喜 九州大学, 大学院・芸術工学院, 教授 (00158677)
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Keywords | 皮膚表面皮脂 / ワックスエステル / トリグリセリド / 薄層クロマトグラフ法 |
Research Abstract |
皮脂分析の手法を確定した後、和歌山において吸湿性の異なる長袖長ズボンの肌着を3種類(綿、綿・キュプラ・ポリエステル混紡(アクティコット【○!R】)、ポリエステル)準備し、皮脂活動が安定すると考えられる秋期1か月間、研究協力者に同一素材の肌着を着用してもらい、1か月間の着用前後、および着用中1週間ごとに背部肩甲骨上部において皮膚表面の皮脂を採取し、皮脂の分析をおこなった。研究協力者は、健康な男子大学生であり、10名ずつ3グループに分けて実験を実施した。供試肌着は、夜間睡眠時に毎日着用するよう依頼し、3日間着用するごとに験者が同一条件で洗濯した。皮脂は、皮脂腺由来成分と表皮由来成分に分けることが出来る。本研究では、皮脂の約9割を占める皮脂腺由来成分であるワックスエステル(WE)、トリグリセリド(TG)、スクワレン(SQ)に注目して解析をおこなった。 グループ間のWE、TG、SQを平均値で、また着用前の値からの変化量で分析したところ、WEは、綿肌着着用群およびアクティコット【○!R】着用群において、着用3週間目まで上昇し続け、それぞれ平均162%、144%となった。TGは、綿着用群は、1週間着用後132%まで上昇し実験終了時まで130%の値を維持した。アクティコット【○!R】では、3週間目まで上昇し続けて127%となった。ポリエステル着用群では、WEは、着用2週目まで一旦上昇したがその後低下し、実験終了時には78%であった。TGは、1週目にピーク値を取り、その後低下して最終的には80%であった。SQは、3種類の肌着間に一定の変化は認められなかった。尿から測定したストレスホルモンにも一定の傾向は認められなかった。ポーランドにおける同様の実験も素材の吸湿性による皮脂量変化の傾向は認められたが、実験手法に問題もあり、一定の結果を得るに至っていない。
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Research Products
(1 results)