2006 Fiscal Year Annual Research Report
他殖性ならびに自殖性植物集団における適応性関連遺伝子の挙動解析
Project/Area Number |
16380003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大澤 良 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (80211788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 洋佳 中央農業総合研究センター, 農業情報研究部・グリッドコンピューティングチーム, 主任研究員 (00355489)
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Keywords | 生態型分化 / Fagopyrum esculentum / 遺伝構造 / DNAマーカー / 農業形質 / CDNA |
Research Abstract |
普通ソバ,ならびに自殖性の普通ソバをモデル植物として他殖性植物集団における適応性関連遺伝子の挙動を試みている。昨年度作成した53プライマーペアに新たに21プライマーペアを追加した計74プライマーペアを用いて多型検出が必要な2組の交配集団母本(他殖性集団:秋型の生態型を示す宮崎在来および夏型の牡丹ソバ,自殖性集団:秋型系統および夏型成系統)に対する多型検出を行った。EST法では、74プライマーに対して他殖性交配集団母本間で2プライマー、自殖性交配集団母本間では1プライマーにおいてのみ多型が検出された。現時点ではソバの適応・分化に対する塩基配列の大規模な挿入・欠出の関与の可能性は低く本法での研究遂行は困難であると考察された。CAPSおよびdCAPS法においては、EST法の結果を受けSNP'sの検出が可能なCAPS法を用いたが多型検出効率は用いる制限酵素数に大きく依存するため効率的ではないことが判明した。そこで44プライマーに対しABI3100を用いて塩基配列を決定しソフトウェアPhred/Phrap/Consedを用いてSNP's探索を行った。その結果、他殖性交配集団母本間で23箇所、自殖性交配集団母本間では25箇所のSNP'sが確認できた。これらのSNP'sに対しソフトウェアdCAPS Finder2.0を用いてdCAPSマーカーの設計を行い、他殖性交配集団母本間での9マーカーのうち4マーカー、自殖性交配集団母本間での8マーカーのうち8マーカーにおいて多型が確認された。自殖性交配集団母本間での8マーカーを用いて自殖性交配集団のF_2を用いてマーカー化の確認を行ったところ、明瞭な分離が確認された。以上の結果に作成ESTプライマーの種間汎用性の調査結果加えて「普通ソバにおけるcDNAマーカーの開発」として2006年第110回日本育種学会において公表した。
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Research Products
(1 results)