2005 Fiscal Year Annual Research Report
酒造好適性を支配する遺伝因子の同定とそれに基づく酒米遺伝資源の評価技術の開発
Project/Area Number |
16380006
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上島 脩志 神戸大学, 農学部, 教授 (30031222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 尊生 神戸大学, 農学部, 助教授 (20260648)
森 直樹 神戸大学, 農学部, 助教授 (60230075)
中村 千春 神戸大学, 農学部, 教授 (10144601)
|
Keywords | 酒米 / 酒造好適性 / QTL解析 / プロラミン / 胚乳 / SSRマーカー / 連鎖不平衡 |
Research Abstract |
1.酒米及び食用米品種間の組換え近交系,雑種初期世代集団及びダイアレル交雑F1集団を用いて心白発現と粒大形質の遺伝解析を行い,「山田錦」など主要な酒米品種の心白発現率を増大させる遺伝子は劣性であるのに対し,「祝」のそれは優性であること,「兵庫北錦」は粒大を支配する主働遺伝子をもつことなどを明らかにした。また,「兵庫北錦」×「日本晴」の組換え近交系について粒形質に関するQTL解析を行うために,1000箇所のSSR領域について両親間で多型の有無を調べ,約150のSSRマーカーを同定した。 2.「山田錦」と「レイホウ」から13kDaのプロラミンをコードする遺伝子の1つRsg1のRT-PCR産物をクローニングし,その塩基配列を解析したところ,「レイホウ」の増幅産物はRsg1遺伝子と高い相同性を有するが,「山田錦」のそれはRsg2に近いものや終止コドンが入ったものであることが分かった。また,解析した塩基配列を「日本晴」のゲノムデータベースと照合した結果,Rsg1及びRsg2は第12染色体上の極めて近い位置に座乗することが判明した。さらに,「山田錦」などの酒米品種は「レイホウ」などの食用米品種に比べて,胚乳内のプロラミン含量が低くグルテリン含量が高いことを明らかにした。 3.「山田穂」など7品種間で126のSSR領域に関する多型調査を行い,72のSSRマーカーを選抜した。これらを用いて192品種で多型を調査し,各マーカー座におけるアリル数とPIC値を求めた。その結果、アリル数は2〜20,PIC値は0.03〜0.99の範囲にあり,最もアリル数の多いマーカーは第11染色体上のRM206であった。現在,これらDNA多型の分析を行った品種について生育ならびに玄米特性について調査中であり,今後、連鎖不平衡解析等により酒米に特徴的な形質に関与する遺伝子座の探索を行う予定である。
|
Research Products
(4 results)