2006 Fiscal Year Annual Research Report
酒造好適性を支配する遺伝因子の同定とそれに基づく酒米遺伝資源の評価技術の開発
Project/Area Number |
16380006
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上島 脩志 神戸大学, 農学部, 教授 (30031222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 尊生 神戸大学, 農学部, 助教授 (20260648)
森 直樹 神戸大学, 農学部, 助教授 (60230075)
中村 千春 神戸大学, 農学部, 教授 (10144601)
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Keywords | 酒米 / 酒造好適性 / QTL解析 / プロラミン / SSRマーカー / 心白 |
Research Abstract |
1.酒米品種山田錦と食用米品種レイホウに由来するF_2集団および山田錦//山田錦/レイホウに由来するBC_1F_2集団を用いて山田錦と同程度の心白発現率を示す個体の出現頻度を調べ、前者におけるそれは0.8%であるのに対し、後者では20.8%と高くなることを明らかにした。また、兵庫北錦×日本晴に由来する組換え近交系を用いて、心白発現率および粒大に関するQTL解析を行い、第2および第12染色体に大きな効果を持つQTLを検出した。 2.山田錦とレイホウを用いて、13kDaのプロラミンをコードする遺伝子の1つRsg1の塩基配列を解析し、レイホウは正常な機能をもつRsg1遺伝子を有するが、山田錦ではこの遺伝子座にトランスポゾン様配列が挿入されているため機能を失っていることを確認した。また、山田錦とレイホウのF1から作出した91系統の倍加半数体を用いてタンパク質含量に関するQTL解析を行ったところ、13kDaプロラミン含量に関するQTLが第12染色体上に検出され、このQTLはRsg1遺伝子に相当するものと推測された。 3.酒米、掛け米および食用米の計192品種を用い、多型の認められた76のSSRマーカーおよび137のRAPDマーカーのそれぞれについて、各アリルの保有割合を品種群間で比較したところ、RAPDでは16マーカー、SSRでは29マーカーで群間に有意な差が認められた。これらのうち、酒米に特異的なDNAマーカーのいくつかは心白発現や粒重など酒米特性に関する既知のQTLに隣接して存在するものであった。また、76種のSSR多型データを用い、コンピュータプログラムStructureにより水稲192品種の遺伝組成を解析したところ、供試品種は9つの集団に分類することができ、酒米品種は、主にそれらのうちの3つの集団(山田錦集団、五百万石集団、華吹雪集団)に含まれることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)