2004 Fiscal Year Annual Research Report
超遠縁作物間の雑種胚における染色体脱落機構の解明(II)
Project/Area Number |
16380007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
辻本 壽 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 教授 (50183075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕之 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助手 (70283976)
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Keywords | 遠縁交雑 / コムギ / 色体脱落 / 動原体 / 動原体タンパク質 |
Research Abstract |
コムギの雌蕊にトウモロコシやトウジンビエの花粉を交配した時、雑種細胞において花粉親の染色体が脱落する。この原因として、花粉親種の染色体がもつ動原体が正常に機能していないことが考えられる。その原因を探るために、脱落途中の染色体の動原体タンパク質の構成の調査が必要である。本年は、そのためにまず実験手法の開発を行った。パラフォルムアルデヒドで固定したコムギおよびトウモロコシの根端細胞を、セルラーゼとペクチナーゼを利用して細胞壁を除去しプロトプラストを作った。これをアクリルアミドに封埋して、立体的に細胞を観察できる資料を作った。この資料に対し市販の動原体マーカーであるリン酸化ヒストンH3抗体を反応させ、動原体における同タンパク質の配置をデコンボリューション顕微鏡によって3次元観察を行った。この一連の実験系を確立できたので、雑種胚において動原体に関与するタンパク質の存在を調査する系の検討を行った。 一方、コムギ×トウモロコシまたはトウジンビエ、エンバク×トウモロコシを行い、交雑後、植物ホルモンを処理して種子の発育を図り、胚を多数得て上記の細胞学的観察のために準備した。一方、コムギ×トウジンビエの交雑では、X-線を照射しコムギ-トウジンビエ染色体間での転座を図った。そのために、まず既存のX-線照射装置が発生するX-線が初期胚に及ぼす影響を調査した。その結果に基づき、コムギ×トウジンビエの交雑後、X-線を照射し、胚発生に及ぼす影響を調査した。
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