2005 Fiscal Year Annual Research Report
イネプロテオーム機能解明のための蛋白質間相互作用の網羅的解析
Project/Area Number |
16380010
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
平野 久 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 教授 (00275075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 博史 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 準教授 (70169704)
左々 英徳 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (50295507)
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Keywords | プロテオーム / 蛋白質間相互作用 / DLC基板 / プロテインチップ / タンデムアフィニティー精製 / イネ |
Research Abstract |
本研究では、ハイスループットな蛋白質間相互作用解析手法を確立し、それを用いてイネの多数の蛋白質の機能ネットワークを解明することを目的とする。本年度は、蛋白質の発現が比較的活発なイネカルスの蛋白質を二次元電気泳動で分離し、ステンレスにダイヤモンド様炭素被膜処理して得られる基板(DLC基板)にエレクトロブロッティングによって転写・固定化してプロテインチップを作製した。そして、固定化した蛋白質と相互作用する蛋白質を解析するため、プロテインチップにカルス蛋白質抽出液を添加し、一定時間インキュベートした。その後、固定化された蛋白質の部位にリシルエンドペプチダーゼを添加し、固定化された蛋白質とそれに結合した蛋白質を消化した。消化物にマトリックスを添加した後、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF MS)によって分析した。質量分析によってペプチドマスフィンガープリント(ペプチドマップ)が得られた。しかし、様々な条件で分析を試みたが、ペプチドマスフィンガープリントから蛋白質を同定することができなかった。そこで、DLC基板にカルモジュリンを固定化し、カルモジュリン結合蛋白質ドメインを合成した後、これを基板に固定化したカルモジュリンに結合させ、MALDI-TOF MSで分析した。この場合は、相互作用した蛋白質をペプチドマスフィンガープリントからうまく同定することができた。このことから分析する蛋白質が既知でない場合には、ペプチドマスフィンガープリントだけから蛋白質を同定することは容易でないと考えられた。今後、MALDI-TOF/TOF MSのようなMS/MSによってアミノ酸配列を決定し、配列に基づいて同定する方法を確立することが必要であろう。
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Research Products
(3 results)