2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380019
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
中川 博視 石川県立大学, 生物資源環境学部, 助教授 (90207738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 泰卓 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (80115823)
鈴木 正一 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (20162951)
永畠 秀樹 石川県立大学, 生物資源環境学部, 助手 (80405068)
塚口 直史 新潟大学, 農学部, 助手 (40345492)
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Keywords | イネ / 高温 / 外観品質 / 白未熟粒 / 乳白米 / モデル / シミュレーション / 背白米 |
Research Abstract |
1.水稲品種コシヒカリと初星を圃場栽培し、穂揃い期に条間引き/葉身切除処理と窒素追肥の複合処理を与え、籾1粒当たりの炭水化物供給能と稲体窒素条件を種々に変化させた。その結果、条間引き処理および窒素追肥処理によって乳白粒の発生率が低下し、葉身切除処理によって乳白粒発生率が増大した。また、窒素追肥処理によって背白粒の発生率が抑制された。出穂期に蓄積された非構造性炭水化物量と登熟期の乾物生産量の和を炭水化物供給能と定義し、1籾当たりの炭水化物供給能と乳白粒発生率との関係を調べたところ、同一品種内では、すべての処理区を込みにして非常に高い負の相関が認められ、乳白粒発生率は同一温度条件では、1籾当たりの炭水化物供給能によって説明可能なことがわかった。したがって、穂揃い期窒素追肥処理の効果は、窒素栄養の直接的効果というより、登熟期の乾物生産の促進を通じて生じていることが示唆された。コシヒカリと初星では、1籾当たり炭水化物供給能が等しい場合、初星の乳白粒発生率が高く、乳白粒発生率の品種間差は炭水化物供給能では説明できなかった。コシヒカリおよび初星で、1籾当たり炭水化物供給能が1mg低下する毎に、それぞれ1約1%および3%乳白粒発生率が増加した。以上の結果から、乳白粒については1籾当たり炭水化物供給能を用いて発生予測モデルを作成することが可能と考えられた背白粒は、乳白粒のように、条間引き処理によって発生が抑制され、葉身切除処理によって促進されるというような一貫した傾向は認められなかった。したがって、背白粒の発生メカニズムは乳白粒とは明らかに異なり、むしろ、窒素栄養生理と密接な関係があると考えられた。 2.福井県、石川県、富山県の白未熟粒発生に関する既存のデータを整理・解析し、各種白未熟粒の発生率と温度や籾数などとの関係を明らかにした。
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Research Products
(6 results)