2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380019
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
中川 博視 石川県立大学, 生物資源環境学部, 助教授 (90207738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 恭卓 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (80115823)
鈴木 正一 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (20162951)
永畠 秀樹 石川県立大学, 生物資源環境学部, 助手 (80405068)
塚口 直史 石川県立大学, 生物資源環境学部, 講師 (40345492)
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Keywords | イネ / 高温 / 外観品質 / 白未熟粒 / 乳白粒 / モデル / シミュレーション / 背白米 |
Research Abstract |
1.1籾当たりの炭水化物供給量改変処理と穂揃期の窒素施肥処理によって、白未熟粒のタイプ別に温度以外の発生要因を明らかにした。さらに実験データに基づき、1籾当たりの炭水化物供給量が乳白粒発生率に及ぼす影響を定量化した。コシヒカリでは、1籾当たり炭水化物供給量が1mg高まると、乳白粒発生率が約1%低下した。また、等しい炭水化物供給量のもとで、乳白粒の発生し易さに品種間差が認められた。乳白粒とは異なり、背白・基白粒は、炭水化物供給量に大きな影響を受けず、登熟相の窒素条件に支配されていることが示唆された。 2.時期別高温処理と炭水化物供給量改変処理を組み合わせた複合処理によって、登熟温度条件と炭水化物供給量が乳白粒発生率に及ぼす影響を、ポット実験によって明らかにした。出穂後約20日間の高温は乳白粒発生率を上昇させるが、その後の高温環境はあまり影響を与えないこと、高温処理の効果は生育ステージによって異なること、および短期間の高温処理の効果は基本的に積算的に作用するが、炭水化物供給量が多い場合は、相乗的に作用することが示唆された。以上の実験データに基づき、炭水化物供給能と登熟期の温度条件から乳白粒発生率を予測する簡易モデルを開発した。すなわち、平均気温26℃以上の日について、基準温度を26℃とする有効温度に生育ステージ別の温度感受性相対値を乗じたものを積算した高温登熟量を算出し、乳白粒発生率と高温登熟量および炭水化物供給能との関係を定式化した。開発したモデルによって実験データが高精度に説明された。 3.2のモデルをさらに圃場条件に適用可能とするために、1籾当たり炭水化物供給量とモデルパラメータとの間の関係を圃場実験データによって決定した。さらに、得られた圃場型モデルを用いて、金沢、輪島、富山、福井の気象条件のもとで乳白粒発生率のシミュレーションを行い、最適作期、最適籾数などを推定した。
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Research Products
(6 results)