2006 Fiscal Year Annual Research Report
花色発現機構の光学的解明と花色関連遺伝子導入による多彩化
Project/Area Number |
16380026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 孝洋 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40173009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 宗孝 京都大学, 農学研究科, 助手 (40301246)
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Keywords | 質感 / 光沢 / 花弁 / ハイライト / 表皮細胞 / 構造 / 視力 / 分光反射 |
Research Abstract |
研究の最終年度として,花弁の多様な質感を説明できる光学モデルの検討を中心に行った.得られた知見は以下のとおりである. 1.花弁反射光の弁別:花弁の色や質感は花弁からの反射光で認識される.マイクロスコープを用いた花弁反射光の高精度な解析により,光源(太陽光や蛍光灯などの人工光)から花弁に入射した光を,(日)表皮細胞表面での反射光,(月)花弁内部組織からの散乱反射光,(火)色素などによる吸収光,および(水)目には吸収されない花弁透過光に分別すると,質感の光学的多様現機構を上手く説明できることが分かった. 2.ベルベットの質感:光沢の実体は表皮細胞側面の(日)表面反射光であった.この表面反射光がハイライトとして人間の目に認識されるためには花弁が高濃度に色素を持ち,花弁に入射した光が吸収される必要があった. 3.金属光沢:(日)の表面反射光と(月)の散乱反射光がハイライトとして適度な比率と分布で認識される時,我々の目には金属のような光沢に見えることが分かった. 4.ダイアモンドダスト:(月)の散乱反射光が不均一に強く反射される時,ダイアモンドダストは生じる.ダイアモンドダストは質感ではなく,目に見える明るいスポット光が実体である. 5.ハイライトの大きさと質感認識:視力1.0の正視距離での解像度は300dpiである.これより小さなハイライトは目に見えず,大きなハイライトはスポット光として目に見える.その境にある,見えるか見えないか微妙な大きさのハイライトが,質感として認識されるのではないかと考えられた.
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Research Products
(2 results)