2006 Fiscal Year Annual Research Report
有用微生物間の相互作用と植物における生体防御機構の解明
Project/Area Number |
16380035
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
百町 満朗 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90113612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 陽一 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (40301212)
須賀 晴久 岐阜大学, 生命科学総合研究支援センターゲノム分野, 助手 (20283319)
久保田 真弓 岐阜大学, 応用生物科学部, 助手 (40377693)
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Keywords | 有用微生物 / 抵抗性誘導 |
Research Abstract |
本研究では、AMFであるGlomus mosseaeとPGPFであるPhoma sp.GS8-2、GS8-3、Penicillium simplicissimum GP17-2、Trichoderma harzianum GT3-2を組合せて同時に接種したとき、それぞれの菌の植物根への定着および病害抑制効果を調べた。G.mosseaeと組合せ接種したときのPhoma GS8-2とGS8-3の栽培4週間目における定着割合は、単独接種した場合に比べ著しく低かった(減少率はそれぞれ82%、84%)。栽培4週間目と6週間目におけるP.simplicissimum GP17-2の定着と根圏土壌中の菌量にG.mosseaeとの組合せ接種による影響はみられなかった。栽培4週間目のT.harzianum GT3-2の定着と根圏土壌中の菌量もG.mossaeeとの組合せ接種による影響はみられなかったが、栽培6週間目においては定着率と菌量が僅かに減少した。一方、G.mosseaeのキュウリ根への定着に関しては、Phoma sp.やP.simplicissimumとの組合せ接種による影響はみられなかったが、T.harzianumとの組合せ接種では定着率の増加がみられた。G.mosseaeと各PGPF菌株を組合せ接種したときのキュウリにおける炭疽病に対する抵抗性の誘導の有無について調べた。G.mosseaeとPGPFを単独あるいは組合せてキュウリの根に接種し4週間栽培後、病原菌(Colletotrichum orbiculare)の胞子懸濁液(10^5 spores/mr^<-1>)を本葉第2葉に接種した。その結果、いずれのPGPF菌株を接種した場合でも地上部の炭疽病に対し高い病害抑制効果を示した。G.mosseaeを単独接種した場合は病害抑制はみられなかった。Phoma GS8-2とGS8-3を単独接種したときの防除率は71%および36%であったが、G.mosseaeと組合せ接種したときにはそれぞれ57%および19%と低下した。一方、P.simplicissimum GP17-2の単独接種とG.mosseaeとの組合せ接種を比較すると、それぞれ65%および60%と両者ともに高い防除効果がみられた。T.harzianumの単独接種とG.mosseaeとの組合せ接種をした場合でも同様に、それぞれ60%および64%と同等に高く、組合せ接種による効果の違いはみられなかった。次に、G.mosseaeとPGPF菌株を組合せ接種したキュウリにおける苗立枯病の発病抑制について調べた。立枯病原菌であるRhizoctonia solani AG-4HGII Matzの接種濃度は土壌に対し含菌大麦粒を0.3%(w/w)とした。病原菌はG.mosseaeとPGPFを組合せて接種するときと同時に、または12日後に接種した。両病原菌接種濃度においても、G.mosseaeと各PGPFの組合せにおいて病原菌を同時接種した場合には病害抑制はみられなかったものの、病原菌を12日後に接種した場合には有意な病害抑制効果が認められた。また、G.mosseae単独では12日後に病原菌を接種したときの防除率が49%となった。一方、P.simplicissimum GP17-2やT.harzianum GT3-2をG.mosseaeと組合せ接種した場合では、病原菌を12日後に接種したときの防除率はそれぞれ72%および68%であり、それらを単独接種したときの48%および56%よりも有意に高い防除率を示した。すなわち、PGPF菌株とG.mosseaeの組合せ接種による相乗的な防除効果がみられた。G.mosseaeとPGPF菌株を組合せ接種して栽培したキュウリの胚軸地際部に苗立枯病の病原菌R.solani Mat7を接種し、発病抑制程度から抵抗性の誘導の有無を調べた。その結果、G.mosseae単独接種による抵抗性の誘導はみられなかった。一方、P.simplicissimumやT.harzianumの単独接種、あるいはこれらの菌とG.mosseaeとの組合せ接種のいずれでもキュウリ苗立枯病を抑制し、抵抗性の誘導が認められた。しかしながら、PGPF菌株による抵抗性の誘導にG.mosseaeとの組合せ接種による相乗的な効果はみられなかった。
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Research Products
(11 results)