2005 Fiscal Year Annual Research Report
核多角体病ウイルス感染による宿主DNA複製の制御機構解析
Project/Area Number |
16380040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池田 素子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20262892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 迪弘 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60111837)
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Keywords | 核多角体病ウイルス / 初期遺伝子 / 相同繰り返し配列 / プロモーター / gp64 / IE1 |
Research Abstract |
核多角体病ウイルス(NPV)の初期遺伝子の発現制御は,ウイルス感染成立に大きな影響を及ぼしている.NPVのゲノムに特徴的な相同繰り返し配列(hr)は初期遺伝子プロモーターのエンハンサーとして機能し,その機能が転写調節因子であるIE1タンパク質との相互作用によって調節されることから,初期遺伝子の発現においてhrとIE1による制御が特に重要な鍵を握っていると考えられている.これまでに,アメリカシロヒトリNPV(HycuNPV)の初期遺伝子の一つであるgp64遺伝子(hycu-gp64)の上流にはhycu-hr6が存在することを明らかにした.そこで,本研究ではHycuNPVのIE1タンパク質(Hycu-IE1)によるhycu-gp64プロモーターの活性調節を解析し,hycu-gp64プロモーターの活性はHycu-IE1によって低下することを明らかにした.さらに,Hycu-IE1によるhycu-gp64プロモーターの活性低下に関与する領域を探索し,hycu-gp64プロモーター内の2つの領域が活性低下に関与していることを明らかにした.この2つの領域の塩基配列を,これまでにAcMNPVで報告されている,Ac-IE1によるプロモーター活性低下に関与する配列と置換して,Ac-IE1の影響を調べた結果,Ac-IE1による活性低下は認められなかった.以上の結果から,IE1による初期遺伝子プロモーターの発現制御機構は,NPVの間で異なっていることが示された.
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Research Products
(3 results)