2004 Fiscal Year Annual Research Report
カイコゲノム解析を応用したクワコ自然集団の遺伝的特性とカイコ家畜化過程の研究
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16380044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
行弘 研司 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫適応遺伝研究グループ, 主任研究官 (50343992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅信 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60221082)
中島 裕美子 琉球大学, 遺伝子実験センター・遺伝子機能解析分野(理工学研究科・海洋環境学), 助教授 (70244340)
小瀬川 英一 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫適応遺伝研究グループ, チーム長 (40391560)
伴野 豊 九州大学, 農学研究院・遺伝子資源開発研究センター, 助教授 (50192711)
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Keywords | クワコ / カイコ / トランスポゾン / 塩基多型 / 染色体多型 / 家畜化 |
Research Abstract |
カイコの地理的品種32品種からモリブデン補酵素硫化酵素をコードするog遺伝子をPCRで増幅した。塩基配列の解析の結果、相互に1〜2%の塩基置換がある3つのハプロタイプが確認された。カイコ家畜化過程での遺伝的影響を検討するため日本産クワコでog遺伝子を増幅したところいずれの場合もカイコよりも長い断片が得られた。これらは第一エクソンの上流域への転移因子の挿入によって生じていた。カイコのhsc70タンパク質をコードするBmhsc70遺伝子のイントロンのカイコ地理的品種30品種についての1塩基多型の解析の結果、これらは大きく2つのハプロタイプに分類された。 重複遺伝子の機能分化を検討するため、カイコの2種類のALP遺伝子について日本産クワコを調査した。日本産クワコでもカイコと同様のALP遺伝子の配置が確認されたので各ハプロタイプの分岐順を推定しカイコ家畜化との関係を考察した。 日本および韓国産クワコのマリナー様因子(MLE)の関連を検討するためCecropia-MLEのInverted Terminal Repeatを用いてPCRでMLEを増幅し塩基配列を解析した。その結果:1)どちらのクワコにおいてもNew Typeは存在しないという従来の結果が更に示唆された。2)Old Typeでは韓国産特異的クラスターを形成するMLEがある一方、日本産には少なくとも2つのクラスターがあるとともにレトロポソゾンL1BmがMLE内に挿入しているものが確認された。3)MLEへのL1Bmの挿入箇所および挿入されたL1Bmの配列は、既に報告したカイコで見られたMLEにL1Bmが挿入され、更にBMC1が挿入されたユニットと非常に類似していた。4)L1Bmの挿入を有する日本産クワコのMLEおよび挿入したL1Bm自身と非常に相同性の高いユニットが、琉球列島を含む日本列島生息爬虫類・両生類で確認された。このことより、L1Bmを含むMLEがユニットごと比較的最近日本列島において水平伝播した可能性が示唆された。 カイコとクワコの間の染色体多型に関して研究分担者中島の採集した韓同産クワコでの染色体数の観察したところ全てがn=27であった。
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Research Products
(4 results)