2006 Fiscal Year Annual Research Report
エンドヌクレアーゼの標的DNA認識に関する構造生物学的解析と基質特異性改変
Project/Area Number |
16380061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
喜多 恵子 京都大学, 農学研究科, 教授 (70234226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
左子 芳彦 京都大学, 農学研究科, 教授 (60153970)
津下 秀明 徳島文理大学, 健康科学研究所, 教授 (40299342)
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Keywords | 制限酵素 / タンパク質工学 / 特異性改変 / DNA結合タンパク質 / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
大腸菌H709c株由来の制限酵素Eco0109Iについて、大過剰量の酵素を添加して反応を行った結果、通常とは異なる配列を認識する、いわゆるスター活性を示すことを初めて明らかにした。スター活性の誘導条件を検討した結果、2.5mM Mgイオン、50%グリセロール、25%DMSO存在下で野生型酵素のスター活性が著しく上昇することを明らかにした。立体構造情報を基に認識特異性が変化することを期待して作成したK74R変異酵素は、これらの条件下でもスター活性をほとんど示さなかった。野生型酵素と変異酵素のスター活性認識配列を網羅的に解析した結果、K74R変異酵素は野生型酵素よりも認識特異性が厳密であることを明らかにした。また、K74R変異酵素-DNA複合体の結晶を取得することができた。一方、大腸菌TH38株由来の制限酵素EcoT38IについてもEco0109Iと同様にスター活性を示すことを明らかにした。EcoT38Iの通常の切断活性は、MgまたはMnイオン存在下で検出できたが、Ca存在下ではDNAに結合するにも関らず切断活性は検出できなかった。しかし、CaはMgによる切断活性を抑制する一方、Mnによる切断活性を促進する効果を示した。スター活性に対してCaは抑制効果を示した。以上の結果について構造生物学的アプローチを行うため、結晶化条件の検討を行った結果、タンパク質単独とタンパク質-DNA複合体の結晶が得られ、それぞれ2.1Åと3.3Åの分解能でX線回折データを取得することができた。
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