2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380080
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入江 一浩 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00168535)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹腰 清乃理 京都大学, 理学研究科, 助教授 (10206964)
清水 孝彦 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・分子老化研究グループ, 研究員 (40301791)
|
Keywords | アルツハイマー / Aβ42 / βアミロイド / ベータシート / ターン / 凝集 / 固体NMR |
Research Abstract |
アルツハイマー病は、主として42残基のアミロイドβペプチド(Aβ42)が、分子間β-sheet構造をとることによって凝集し、その過程で神経細胞毒性を示すことにより発症すると考えられている。本研究者らは最近、Aβ42は22位および23位でターン構造をとり、15-21位および24-32位で分子間β-sheet構造を形成して凝集するという新しいモデルを提唱した。本モデルは、遺伝性の家族性アルツハイマー病の変異が22位に集中していることを合理的に説明するものである。本研究では、凝集能ならびに神経細胞毒性が特に高いE22K-Aβ42(Italian変異体)に注目し、22位および23位のターン構造を固体NMRによって検証することを目的とした。 E22K-Aβ42の21-24位のアミノ酸残基を、^<13>Cおよび^<15>Nで部位特異的に標識し、リン酸緩衝液中、37℃で完全に凝集させた。分子内と分子間の距離情報を区別するため、100%標識体の凝集体、および標識体に非標識体を1:2の比率で混合して凝集させたものを別々に調製した。得られた凝集体の固体NMRによる測定は、本研究分担者の竹腰が開発した新しい核間距離測定法(^<13>C-^1H dipolar-assisted rotational resonance法)により行なった。まずmixing time 20 msの測定により、すべての炭素原子のシグナルを帰属したところ、23-Aspのシグナルのみ2種類観測され、2つのコンホメーションをとっていることが判明した。さらにmixing time 500 msの測定により、23-Aspおよび24-Valのγ-炭素間と22-Lysのγ-,δ-炭素および23-Aspのγ-炭素間にそれぞれ顕著なシグナルが認められ、22位および23位付近でターン構造をとっている可能性が強く示唆された。
|
Research Products
(4 results)