2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロゲステロンの植物における生合成と生理的役割に関する研究
Project/Area Number |
16380081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
横田 孝雄 帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 崇人 理化学研究所, 植物科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (60373346)
中野 雄司 理化学研究所, 植物機能研究室, 先任研究員 (30281653)
森 昌樹 農業生物資源研究所, 主任研究員 (50192779)
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Keywords | プロゲステロン / プロゲステロン受容体 / プロゲステロン重水素標識体 / 植物における分布 / 生理作用 |
Research Abstract |
プロゲステロンは動物の黄体ホルモンであり、妊娠に重要な役割を持っている。プロゲステロンの存在を質量分析によりエンドウ(シュート、根、種子)、シロイヌナズナ(シュート、花部)、イネ(シュート、穂)、トマト(葉、果実)など7種類の植物について調べたところ、いずれの植物、いずれの器官からもプロゲステロンを同定した。したがって、プロゲステロンは植物に普遍的に存在する可能性が示された。ヒトには膜結合性のプロゲステロン結合タンパク質(受容体)があるが、その遺伝子と相同の遺伝子をイネよりおよびシロイヌナズナから3種類ずつ単離した。イネ、シロイヌナズナ両方において、これら3種類のうち2種類は膜結合性であったが、残り1種類は可溶性であった。これらの遺伝子の発現を調べたところ、いずれの遺伝子もすべての器官に発現していた。従って、植物にはプロゲステロンばかりでなく、その受容体も存在している可能性が示された。このことから、プロゲステロンは植物において何らかの生理的役割を持っているものと考えられた。エンドウの成長に対するプロゲステロンの活性を調べたところ、ジベレリンの生合成阻害変異体である1h変異体にのみ伸長活性を示した。しかしながら他の変異体に対しては活性が認められなかった。このことより、プロゲステロンはある特定の条件下で生理活性を発揮するものと考えられた。 プロゲステロンの生合成を検討するための全段階として、プロゲステロンの微量分析法を確立するとともに、ガスクロマトグラフィー・質量分析による定量のために重水素9個を含む標識体を合成することにも成功した。
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Research Products
(2 results)