2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロゲステロンの植物における生合成と生理的役割に関する研究
Project/Area Number |
16380081
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
横田 孝雄 帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 崇人 理化学研究所, 植物科学研究センター, 基礎特別研究員 (60373346)
中野 雄司 理化学研究所, 細胞生化学研究室, 先任研究員 (30281653)
森 昌樹 農業生物資源研究所, 分子遺伝研究グループ, 主任研究員 (50192779)
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Keywords | プロゲステロン / 生理作用 / 受容体 / 代謝 |
Research Abstract |
プロゲステロンのイネに対する作用を様々な条件下で調べたが,明瞭な効果は認められなかった。一方,プロゲステロンの活性がエストロン、エストラジオール、テストステロンに変換することにより出ることも考えられたので,これらホルモンについてイネおよびエンドウの茎葉をGC-SIMにより調べた。その結果、大量の材料を使った場合には両方の植物にエストロンおよびエストラジオールが検出されたが、テストステロンは検出されなかった。しかしながら小規模実験で重水素標識の内部標準を用いた実験ではいずれのホルモンも検出されなかった。現在、この矛盾点を追試中である。 プロゲステロンの受容体に関しては以下の実験を行った。2003年にヒトとマウスにおいて三量体Gタンパク質と複合体を形成する7回膜貫通型タンパク質の遺伝子がプロゲステロン受容体であることが示された。この受容体のアミノ酸配列を用いた検索の結果、Arabidopsisゲノム上に約40%のアミノ酸類似性を示す遺伝子を数種類同定した。これらの遺伝子のT-DNA挿入遺伝子破壊株のホモ個体を選抜した結果、そのうちの一つの遺伝子の破壊株において、生殖成長期にさやが太く短くなる表現型が認められた。現在、形質転換体などによる機能解析を進めている。 プロゲステロンの代謝に関して以下の実験を行った。ジギタリスの強心物質ジギトキシゲニンは、プロゲステロンを経由して生合成されるが、その最初の反応に関与するプロゲステロン5β-還元酵素はすでにクローニングされている。この5β-還元酵素遺伝子の配列を用いた探索の結果、Arabidopsisゲノム上に、アミノ酸の類似性が82%の相同性を示す一つの遺伝子を同定した。
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Research Products
(3 results)