2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロゲステロンの植物における生合成と生理的役割に関する研究
Project/Area Number |
16380081
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
横田 孝雄 帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 崇人 理化学研究所, 植物科学センター, 研究員 (60373346)
中野 雄司 理化学研究所, 細胞生化学研究室, 先任研究員 (30281653)
森 昌樹 農業生物研究所, 分子遺伝研究グループ, 主任研究員 (50192779)
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Keywords | プロゲステロン / 5α-ジヒドロプロゲステロン / アロプレグナノロン / エストラジオール / 植物成長促進 / 生合成 |
Research Abstract |
1.プロゲステロンから還元的に合成される5α-ジヒドロプロゲステロンやアロプレグナノロンはニューロステロイドとして知られており、脳の機能に重要な役割を果たす。これらニューロステロイドがイネ、シロイヌナズナ、エンドウに存在するかについて分析した所、これらステロイドはすべての植物から同定された。したがってプロゲステロンからニューロステロイドへの合成は植物に一般的である可能性が示された。また、エンドウのブラシノステロイド生合成変異体およびブラシノステロイド受容体変異体についてこれら動物ステロイドホルモンを調べた所、野性型と比較して大きな差異は認められなかった。したがって、ブラシノステロイドの生合成およびシグナル伝達はプロゲステロンの合成や代謝との直接的な関係はないものと考えられた。 2.プロゲステロンから合成される性ステロイドホルモンのエストロン、エストラジオール、テストステロンがイネ、シロイヌナズナ、エンドウに存在するかについて分析した。プロゲステロンはいずれの植物にも存在したが、エストラジオールはシロイヌナズナのみから同定された。他の性ステロイドはいずれの植物からも同定されなかった。シロイヌナズナにおいてはプロゲステロンが生理促進および阻害活性を示すことが明らかになっている。したがって、プロゲステロンの活性はエストラジオールへの変換による可能性も考えられる。一方、シロイヌナズナのブラシノステロイド生合成変異体cpdにおいては明らかにエストラジオールの含量が野性型より高かった。このことから、CPD遺伝子がエストラジオールの合成に関与している可能性が示された。
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Research Products
(6 results)