2006 Fiscal Year Annual Research Report
脂溶性機能成分の単分散マイクロ/ナノスフィア化による安定性及び吸収性の向上
Project/Area Number |
16380082
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 和夫 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 教授 (10182015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 雅史 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 助教授 (10241374)
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Keywords | マイクロ / ナノスフィア / 機能性脂質 / DHA・EPA / 酸化防止 / 界面 / ナノエマルション / 立体構造 / 粒子径 |
Research Abstract |
エマルションは食品の主要形態の一つであり、その化学的安定性の向上に関する研究は、より高品質の食品あるいは新たな食品素材を創出する上で極めて重要である。特に、含まれる各種高度不飽和脂質、脂溶性ビタミン、カロテノイドなどの脂溶性有効成分の酸化安定性向上がこれらの機能発揮に不可欠である。 そこで本年度は、粒子径の微細化により機能性高度不飽和脂肪酸ナノエマルションを作成し、その酸化安定性をまず検討した。その結果、高圧ナノマイザーにより粒子径が80-300nmの魚油エマルションを作成し、その酸化安定性を検討した。マイクロチャネル乳化では粒子径が小さいほど酸化安定性は向上したが、ナノマイザーを用いた検討では粒子径が小さいほど酸化安定性は低下してしまった。この際、ナノスフィア作成直後の脂質の過酸化の程度を測定したところ、高圧によるナノ乳化により、粒子径の小さいものほど脂質の酸化が著しく亢進していることが分かった。したがって、高圧ナノマイザーを用いたナノ粒子の作成は、界面の特性を活かしたDHAなどの機能性脂質の安定化には不向きであると判断された。マイクロチャネルのように、負荷をかけない乳化法で、かつ、粒子径をできるだけ小さくすることにより酸化されやすい機能性脂質の安定化が図れるものと考えられた。 次に、DHATGナノエマルションに、フコキサンチンなどの機能性脂溶成分を組み込んだ素材の酸化安定性と機能性を検討した。その結果、機能性海藻由来カロテノイド(フコキサンチン)を魚油とマウスに投与することで、フコキサンチンの有する抗肥満作用と抗糖尿病作用が相乗的に増大することが明らかになった。フコキサチンを魚油と混合し、マイクロエマルションとすることでその酸化安定性も向上させることができた。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Catalpa seed oil rich in 9t,11t,13c-conjugated linolenic acid suppresses the development of colonic aberrant crypt foci induced by azoxymethane in rats.2006
Author(s)
Suzuki, R., Yasui, Y., Kohno, H., Miyamoto, S., Hosokawa, M., Miyashita, K., Tanaka, T.
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Journal Title
Oncology Re. 16
Pages: 989-996
Description
「研究成果報告書概要(欧文)」より
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[Journal Article] Fucoxanthin and its metabolite, fucoxanthinol, suppress sdipocyte differentiation in 3T3-L1 cells.2006
Author(s)
Maeda, H., Hosokawa, M., Sashima, T., Takahashi, N., Kawada, T., Miyashita, K.
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Journal Title
Int. J. Mole. Med. 18
Pages: 147-152
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