2005 Fiscal Year Annual Research Report
食餌由来オリゴ糖による免疫応答・炎症反応制御の細胞・分子基盤
Project/Area Number |
16380083
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
園山 慶 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90241364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 道広 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (20231558)
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Keywords | オリゴ糖 / プレバイオティクス / アレルギー / NKT細胞 / 遅延型過敏反応 / 接触皮膚炎 / 腸内細菌 / マウス |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ラフィノース及びα-結合ガラクトオリゴ糖の摂取がI型アレルギー反応(抗原特異的気道好酸球浸潤)を抑制することを動物モデルで観察した。これらのオリゴ糖と同様にα-結合ガラクトシル基を含む内因性のスフィンゴ糖脂質であるiGb3はCD1d拘束性にNKT細胞を活性化し、獲得免疫系のTh1/Th2バランスを調節する。これらのことから、α-結合ガラクトオリゴ糖はNKT細胞の活性化を修飾するものと想定し、以下のような検討を行った。また、難消化性オリゴ糖が腸内細菌叢の変化を介してIV型アレルギーを改善する可能性についても検討した。 1.BALB/cマウス及びC57BL/6マウスの脾細胞をex vivoで培養し、サイトカイン産生をELISAで定量した結果、LPS刺激時のIFN-γ産生は抗CD1d抗体により抑制されたので、このときのIFN-γ産生にはCD1d拘束性のNKT細胞活性化が寄与することが示唆された。しかしながら、α1,1、α1,2、α1,3、α1,4及びα1,6ガラクトビオースを培地に添加してもIFN-γ産生は変化しなかった。更に、抗原感作したマウスの脾細胞をex vivoで抗原刺激したときのIFN-γ産生にもやはりCD1d拘束性のNKT細胞活性化が寄与することが示唆されたが、この場合にも各種α-結合ガラクトビオース添加はIFN-γ産生に影響しなかった。以上の結果より、感染時ならびに抗原刺激時においてNKT細胞がCD1d拘束性に活性化されることが示唆されたが、これにα-結合ガラクトビオースは影響しないことが示唆された。 2.IV型アレルギーのモデルとして2,4-ジニトロフルオロベンゼンを抗原とした接触皮膚炎マウスを作成し、耳介浮腫を指標にして食餌オリゴ糖の影響を調べたところ、フラクトオリゴ糖の摂取により耳介浮腫は有意に抑制され、これは盲腸内ビフィズス菌数と良く相関した。
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