2004 Fiscal Year Annual Research Report
高等動物、特に肝臓におけるビタミンB_<12>の新規な機能、細胞内情報伝達への関与
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16380092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中野 長久 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20081581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山地 亮一 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (00244666)
渡辺 敏明 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (30091846)
榎原 周平 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助手 (10372856)
渡辺 文雄 高知女子大学, 生活科学部, 教授 (30210941)
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Keywords | ビタミンB_<12> / HGF / 肝臓肥大 / ビタミンB_<12>欠乏ラット / メチルマロニルCoAムターゼ / メチオニン合成酵素 / セリンデヒドラターゼ / グルココルチコイド |
Research Abstract |
ビタミンB_<12>(B_<12>)欠乏ラットは8週齢を過ぎる頃から肝臓肥大が認められるようになる。その反面で、極度の生殖器官の萎縮が進行する。これがどのような体内機能の変化によるかを検討した。 本年度はまず、肝臓に焦点を当てて研究を進めた。肝細胞の代謝回転及びネクロシスに関連するグルタミン酸トランスアミナーゼ及びアスパラギン酸トランスアミナーゼの血清中活性が高くなる。このことは肝細胞破壊が進行すると共に、肝細胞の代謝回転が進行していることを示している。この事実はB_<12>欠乏ラット血中HGFを測定の結果、対照群に週齢で大きい変化は認められないが、B_<12>欠乏により、週齢を重ねるにつれて、有意に増加した。このとき、アデノシルB_<12>を補酵素とするメチルマロニルCoAムターゼ(MCM)のタンパク質が極度に誘導を受けた。しかし、ほとんどの酵素タンパク質がアポ酵素として存在し、総活性(アデノシルB_<12>を添加して活性測定)の0.3%しかホロ酵素として存在しなかった。 このMCMの誘導合成は、シトゾルで行われ、アポ酵素としてミトコンドリアに移入されて局在する。この現象からミトコンドリアで明らかに何らかの機能を持っていることを示している。故に、今後の課題として、このように多量のアポ酵素が安定な状態で何故存在し得るのか。また、どのような機能を持つのかを明らかにすることが課題である。そこでB_<12>投与ラットと欠乏ラットから初代肝細胞を調製して、B_<12>無添加培地で細胞培養を行ってMCMのタンパク質誘導がどのように進行するかを検討中である。
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Research Products
(5 results)