2006 Fiscal Year Annual Research Report
高等動物、特に肝臓におけるビタミンB_<12>の新規な機能、細胞内情報伝達への関与
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16380092
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中野 長久 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (20081581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山地 亮一 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (00244666)
渡邊 敏明 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (30091846)
榎原 周平 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助手 (10372856)
渡辺 文雄 鳥取大学, 農学部, 教授 (30210941)
三浦 巧 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (60405355)
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Keywords | ビタミンB_<12> / メチルマロニルCoAムターゼ / cblAメチルマロン酸尿症 / MMAA / MMAB / アデノシルコバラミン |
Research Abstract |
コバラミンは細胞内に取り込まれた後、数段階の還元後、補酵素型に変換される。この経路は、コバラミン合成機能を欠損した先天性コバラミン欠乏症患者由来の細胞を用いた研究により明らかにされてきた。先天性コバラミン欠乏症患者は、機能欠損している場所により、cblAからcblHまでの8つのグループに分類されている。このうち、cblAメチルマロン酸尿症の原因遺伝子であるMMAA遺伝子と、cblBメチルマロン酸尿症の原因遺伝子であるMMAB遺伝子が最近、同定され、MMAAの機能は、ミトコンドリアへのコバラミンの取り込みに関わるとされ、MMABはコバラミンにアデノシル基を付加するアデノシルトランスフェラーゼの機能を持つことが明らかになっている。そこで、MCMのホロ酵素の割合が低く抑えられている原因として、MMAA、MMABが関わる反応経路が律速となっていると考えた。 まず、コバラミンの輸送に関わるとされるMMAAがMCM活性に影響を与えているかを調べるために、MMAAを高発現させたCOS-7細胞におけるMCM活性を測定した。その結果、MMAAの高発現によるHolo活性の増加は見られず、次に、アデノシルトランスフェラーゼ活性を持つMMABがMCM活性に影響を与えているかを調べるために、MMABを高発現させたCOS-7細胞におけるMCM活性を測定した。やはり、MMABの高発現によるHolo活性の上昇は見られなかった。そこで最終的に、MMAAとMMABをCOS-7細胞に共発現させ手も、ホロ活性の上昇見られず、MCMのホロ活性の割合が低く保たれているのは、コバラミン代謝経路に関わるMMAAとMMABのタンパク発現量が低いために、補酵素の供給が律速となっているわけではないという結論を得た。
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Research Products
(6 results)