2006 Fiscal Year Annual Research Report
絶滅危惧種シデコブシの保全を目指した遺伝子流動と近交弱勢に関する研究
Project/Area Number |
16380100
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
戸丸 信弘 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (50241774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 清 森林総合研究所, 関西支所, 森林生態研究グループ長(研究員) (10343790)
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Keywords | 近交弱勢 / マイクロサテライト / シデコブシ / 絶滅危惧種 / 他殖率 / 花粉制限 / 遺伝的変異 / 近親交配 |
Research Abstract |
本研究では、シデコブシの保全を図るために、マイクロサテライトマーカーを用いた分子生態遺伝学的手法により、花粉を介した遺伝子流動と近交弱勢の程度を明らかにすることを目的としている。平成18年度には、複数集団における交配様式と近交弱勢の推定および小集団化における近交弱勢と花粉制限が種子生産に及ぼす影響を明らかにした。また、これまでに得られたすべてのデータにもとづきシデコブシを保全するための方策を検討した。 1.愛知県渥美半島と三重県の集団における交配様式と後期近交弱勢の推定 孤立分布する愛知県渥美半島の4集団と三重県の2集団について交配様式と後期近交弱勢の程度を調査した。各集団において直接推定した他殖率は0.52-0.85であり、同一集団内家系間でも大きくばらつき、集団間・集団内家系間ともにその差は有意であった。二親性近親交配については比較的小さな3つの集団で有意であった。各集団における後期近交弱勢の程度は0.226-1535とばらついたが、集団間の差は有意ではなかった。各集団における他殖率と後期近交弱勢の程度とも集団サイズとは関係がなかった。しかし、集団サイズが後期近交弱勢の程度のばらつきに関係し、集団の存続に関する不確実性に影響する可能性が示唆されたので、これについてはさらなる検討が必要と考えられる。 2.小集団化における近交弱勢と花粉制限が種子生産に及ぼす影響 愛知県春日井市の比較的大きな集団と三重県四日市市の小集団を対象として、成木と自然受粉種子のマイクロサテライト分析および受粉実験を行い、小集団化における近交弱勢と花粉制限が種子生産に及ぼす影響を調査した。小集団では、花粉制限、自殖、遺伝的浮動と近親交配による遺伝的劣化によって種子生産が減少していることが示唆された。したがって、小集団化によって近交弱勢と花粉制限が強まり、集団の絶滅リスクが高められていると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Reduced seed production, inbreeding, and pollen shortage in a small population of a threatened tree, Magnolia stellata2007
Author(s)
Hirayama, K., Ishida, K., Setsuko, S., Tomaru, N.
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Journal Title
Biological Conservation (in press)